バスは突端までを登った
小さな谷を見下ろし
秋の夕暮れに身を持たせかける
誘惑
の満ち引きに歪む景色
濃緑を分ける紅葉の線を
見定めることはできない
音は遠ざかり
甘く聞える風のような囁きが耳を満たす
定かならぬ
未来
へと誘う囁きだけが
恐らくは断崖へと
かすれ、響く
黄昏が薄れるのを見守る
夜の闇に浮かぶ灯りはわずかに
遠い町の中をぽつりと照らす
あまりに小さな谷間の町
もうバスもなく
灯りは届くことはないのだから
ただ定かなものは
身を包む瞬間の熱い吐息だけだと
信じさせようとして
正門
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