日差しはやっと春
ここには女が住んでいた
家を持たない女が住んでいた
エレヴェーターのあるマンションで
階段を降りるものはない
いつからか
ひっそりと
いつからか
陰の中に住んでいた
バナナの皮を食べ散らかし
煙草を投げ捨て
踊り場に放尿した
誰も知らぬ間にやってきて
ダンボールを抱えて座り
誰も知らぬ間に
またいなくなった

誰も知らない旅の行くあて

次の旅への祝福を
日差しはやっと春
次の階段へと
次の冬までと
階段に住む女に祝福


 
 
 
 
 
 
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