あなたが訪れてきてくれた
夢をみた
あなたは本を手にとって
中を読んでいる様だった
蒼い装丁の美しい
詩の本だった
本棚の中でも
一際目立つところに
並べておいてあった
あなたの手に届くようにと
あなたに尋ねる
気に入ったのかと
けれども
もたげたあなたの目は虚ろで
私は思い出したのだ
あなたは盲目だったのだと
あなたは言った
鳥を放してやろうと思わないかと
蒼い表紙を床に落とす
もぎとられた翼のように
哭いていた
何故もっと早くにあなたの部屋を
訪ねなかったのかと
どの空へ放してやるのか
この小雪の最中
部屋からは全てが消えていた
本は蒼い空ろな響きで満ちて
残される
あなたはもう二度と
訪れては来ない