退屈な振動が吐き気を催させ、カセットテープは物憂いウードと弦の伝統音楽に変わる。秋雨にワジは草原となった。ほこりで曇った窓ガラスの向こうも灰色の空が続いている。はげたように散らばる草叢も灰色に染まり、建物は土色に汚れている。蝿が迷いこんで当てもなく飛び回り、果てに、黒いビロードのズボンの膝に止まる。誰も口をきかない今日の道のり。香水がきつく差し込んでは消える。夏はとうに過ぎたのに。歌手は声を張り上げ、口笛と拍手がそれに応えた。窓を閉ざしたまま。僅かな時を眠るかも知れない。

 
 
 
 
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