鳥籠の中から囁く小夜鳴鳥は小さな声で姫君を諌める
ああ、塔の王女、あなたは一体何が欲しくてリュートの音に耳を傾けるのです。
噴水は麗しく、花々は薫り高くあなたの窓を潤し、果実は庭園に溢れている。あなたの腕には黄金の腕輪。あなたの耳には高貴な宝石が揺れて、あなたに妙なる樂の音で語りかけ、あなたのアラバスタアのような肌を覆うのは、鮮やかに染め上げられた幾重もの絹。
あなたはこれ以上、何を望むのですか。
小夜鳴鳥たちは優しい声で囀りそう云う。

けれども王女の耳には届かない。ほらまたあのリュートの音が流れている。教えて教えて、あれは誰の呼んでいる声なの。