玨 - 漢字私註

説文解字

玨
相合爲一𤤴。凡𤤴之屬皆从𤤴。
玨部
𤤴或从㱿

説文解字注

玨
二玉相合爲一珏。『左傳正義』曰、瑴、『倉頡篇』作珏、云雙玉爲珏、故字从雙玉。按『淮南書〔道應訓〕』曰、玄玉百工。《注》二玉爲一工。工與珏雙聲。百工卽百珏也。不言从二玉者。義在於形、形見於義也。古岳切。三部。凡珏之屬皆从珏。因有𨌥字。故珏專列一部。不則綴於《玉部》末矣。凡『說文』通例如此。
珏或从㱿。㱿聲也。『左傳〔僖三十年〕』納玉十瑴、『魯語』行玉廿瑴、字皆如此作。韋昭、杜預解同『說文』。

康煕字典

部・劃數
玉部・四劃

『唐韻』古岳切『集韻』『韻會』『正韻』訖岳切、𠀤音覺。『說文』二玉相合爲一玨。《徐鍇曰》雙玉曰玨。『集韻』或作

又『類篇』古祿切、音穀。義同。

部・劃數
玉部・十劃

『廣韻』古岳切『集韻』『韻會』『正韻』訖岳切、𠀤音覺。『廣韻』同𤤴。『正韻』二玉相合。『左傳・僖三十年』公爲之請、納玉於王與晉侯、皆十瑴。《註》雙玉曰瑴。

又『廣韻』『韻會』𠀤古祿切、音穀。義同。

又『廣韻』玉名。

廣韻

二玉相合爲一𤤴。

異體字

或體。

音訓

カク(漢、呉) 〈『廣韻・入聲・覺・覺』古岳切〉[jué]{gok3}

解字

白川

會意。二を竝べた形。

『説文解字』に二玉相ひ合するを一玨と爲すとあり一綴りの玉をいふ。字はまた瑴に作り、㱿聲。

左傳・莊十八年』(下揭字庫)皆、玉五瑴を賜ふ、『左傳・襄十八年獻子以朱絲係玉二瑴(獻子、朱絲を以て玉二瑴をつなぐ)のやうに、瑴を用ゐる。

甚だ貴重なものとされ、『左傳・僖三十年』(上揭段注)に王と晉公に十瑴を獻じ、『國語・魯語上』(上揭段注)に「玉二十瑴」をおくることが見える。

藤堂

の會意。二つの玉が合はさつて一組になることを示す。

落合

會意。を竝べた形。甲骨文では供物の呼稱や祭祀名として用ゐられてをり、祭祀儀禮において玉器を竝べた樣子を表した會意字であらう。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 供物。玉器のセットであらう。珏とも言ふ。《屯南》280戊辰貞、剛于大甲珏二牛。
  2. 祭祀名。玉を捧げる儀禮であらう。《合集》5601王占曰、祀珏。

漢字多功能字庫

甲骨文は二あるいは二丯に從ひ、二連の玉の形に象る。殷商は玉や貝を貨幣とし、物で貫いた。二連の玉を玨とし、二連の貝を朋とした(王國維)。比較的大きな玉は二つを一對として玨と呼び、比較的小さくばらばらの玉は二連を一對として、これもまた玨と呼ぶ(姚萱)。

金文は瑴に作り、二玉に從ひ𣪊省聲。『説文解字』の或體と相合ふ。噩侯鼎では𨐬(璧の誤り?)の初文に從ひ、𣪊聲(參: 季旭昇)。金文では量詞に用ゐ、玉の單位を表す。西周中期・夾簋易(賜)玉十又二瑴、貝廿朋。

古書では瑴で以て雙玉を表す。

屬性

U+73A8
JIS: 2-80-64
U+7474
𤤴
U+24934
U+73CF
JIS: 1-87-90
JIS X 0212: 43-77