步 - 漢字私註

説文解字

步
行也。从𣥂相背。凡步之屬皆从步。
步部

康煕字典

部・劃數
止部三劃

『唐韻』『正韻』薄故切『集韻』『韻會』蒲故切、𠀤音捕。『說文』行也。『書・武成』王朝步自周。《傳》步、行也。【正義】曰、【爾雅・釋宮】云、堂上謂之行、堂下謂之步。彼相對爲名耳、散則可以通、故步爲行也。『楚辭・招䰟』步騎羅些。《註》乗馬爲騎、徒行爲步。

又『小爾雅』跬、一舉足也。倍跬謂之步。『白虎通』人踐三尺法天地人、再舉足步備隂陽也。『周禮・夏官』射人以貍步張三侯。《註》鄭司農云、貍步、謂一舉足爲步、於今爲半步。

又『司馬法』六尺爲步、步百爲畝。『禮・王制』古者以周尺八尺爲步、今以周尺六尺四寸爲步。『正義曰』古者八寸爲尺、周尺八尺爲步、則一步六尺四寸。『史記・秦始皇紀』數以六爲紀、六尺爲步。《註》索隱曰、『管子』『司馬法』皆云六尺爲步、非獨秦制。又王制八尺爲步、今以六尺四寸爲步、步之尺數亦不同。

又輦行曰步。『韻會』世稱輦車曰步輦、謂人荷而行、不駕馬也。

又徐行曰步。『屈原・離騷』步余馬於蘭臯兮。『說苑・建本篇』走者之速、步者之遲。

又促行曰趨、闊行曰步。『莊子・田子方』步亦步、趨亦趨。

又『任昉・述異記』水際謂之步。上虞縣有石駞步、吳中有瓜步、吳江中有魚步、龜步、湘中有靈妃步。按吳楚閒謂浦爲步、語之訛耳。『水經注』贛水逕豫章郡北爲津步、步卽水渚也。『靑箱雜記』嶺南謂村市爲墟、水津爲步。

又『柳宗元・鐵爐步志』江之滸、凡舟可縻而上下者曰步。『韓愈・孔戣墓誌』蕃舶至泊步、有下碇之稅。通作埠。今人呼船儈曰埠頭。埠音如步。

又『爾雅・釋樂』徒擊鼓謂之步。《疏》凡八音備作曰樂。一音獨作不得以樂名也。

又人才特出謂之獨步。『晉書・王坦之傳』江東獨步王文度。

又馬步、謂神爲災害馬者。一曰行神。『周禮・夏官・校人』冬祭馬步。

又人物烖害之神皆曰步。『周禮・夏官・校人疏』𤣥冥之步、人鬼之步是也。又『地官・族師・祭酺註』酺者、爲人物烖害之神。故書酺爲步、蓋步與酺字異而音義同也。

又習馬曰步馬。『左傳・襄二十六年』左師見夫人之步馬者。又牽行也。『禮・曲禮』步路馬必中道。

又行師曰步師。『左傳・僖三十三年』寡君聞吾子將步師出于敝邑。

又行爵曰步爵。『禮・少儀』未步爵、不嘗羞。

又推歷曰步歷。『左傳・文元年疏』日月轉運於天、猶如人之行步、故推歷謂之步歷。『後漢・楊厚傳』就同郡鄭伯山、受河洛書及天文推步之術。『陸機・演連珠』儀天步晷、而修短可量。

又律歷書名、五星爲五步。見『漢制考』。

又運也、國運曰國步、天運曰天步。『詩・小雅』國步蔑資。『又』天步艱難。

又陟大位曰攺步。『周語』攺玉攺步。

又步驟。『後漢・曹褒傳』三五步驟、優劣殊軌。《註》『孝經鉤命決』曰、三皇步、五帝驟、三王馳。宋均註云、步謂德𨺚道用、日月爲步、時事彌順、日月亦驟、勤思不已、日月乃馳、是優劣也。

又姓。『廣韻』晉有步場、食采於步、後因氏焉。孔子弟子有步叔乗、三國吳丞相步騭。又三字姓。『後魏書』有步六孤氏、後改爲陸氏。又西方步鹿根氏、後改爲步氏。又『北齊書』有步大汗氏。

又百步、溪名。『廣輿記』在台州臨海縣、一呼惡溪。

又千步、香名。『任昉・述異記』南海山出千步香、佩之香聞千步。今海嵎有千步草、是其種也。『雜貢籍』曰:南郡貢千步香。

又步光、劒名、見『越絕書』。

又步搖、婦人首飾名。見『採蘭雜志』。

『俗書正訛』从𣥂、反止也。从少、非。

廣韻

行步。『爾雅』云、堂下謂之步。『白虎通』云、人踐三尺法天地人、再舉足步備隂陽也。

又姓。『左傳』晉有步塲、食采於步、後因氏焉。又虜三字姓三氏後。『魏書』步六孤氏、後改爲陸氏。又西方步鹿根氏、後改爲步氏。『北齊書』有步大汗氏。

音訓

ホ(漢) ブ(呉) フ(慣) 〈『廣韻・去聲・暮・捕』薄故切〉
ゆく。あゆむ。あるく。はかる(推歩)。

解字

白川

左足の足跡のと右足の足跡の𣥂の會意。左右の足跡を連ねて步行の意とする。

『説文解字』に行くなり、また字條に人の步趨なりとするが、行は十字路の形。

禮記・曲禮上堂上接武、堂下布武。(堂上には武を接し、堂下には武を布く。)の武は半步、步は六尺、合はせて「步武堂々」のやうにいふ。

足を地に接して步くことは、その地の地靈に接する方法で、重要な儀禮に赴くときには步するのが常法であつた。『書・召誥』に王朝步自周、則至于豐。(王、あしたに周(宗周)より步して豐(豐京、神都)に至る。)といふ。地靈を鎭撫する儀禮を踐土といひ、本邦の反閉がそれに當たる。

藤堂

左足と右足の會意で、左と右の足を踏み出すことを示す。足の面を地面に近附けてぱたぱたと步くこと。

落合

會意。左右の足を上下に竝べ、步行の樣子を表してゐる。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. ゆく。出發する。目的地に行く。《甲骨綴合集》379己酉卜在樂貞、今日、王步于喪、亡災。
  2. 祭祀儀禮の一種。《合集》32987丁卯卜、求于就、亞[⿳匕凶十]其步十牛。

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に從ふ。止は足の形に象る。二止は多く左右異なる向きで、一つは左足に象り、一つは右足に象り、兩足の一が上で一が下で、以て左右二足前後相承の形と解く。鄭樵『通志・六書略』步、行也、象二趾相前後。甲骨文、陶文はあるいは類化(同化?)して二個の方向が同じ止となり、兆域圖銅板の步の兩止はあるいは變じて左右相背く形に作る。

『爾雅・釋宮』堂下謂之步。郝懿行義疏『淮南・人間篇』云「夫走者、人之所以為疾也。步者、人之所以為遲也。」是步為徐行。『釋名・釋姿容』徐行曰步。步の本義は緩やかに步行することで、とは速度に區別がある。また、古人は左右それぞれを一跨ぎすることを一步とし、今の人が片足を一跨ぎすることを一步とするものは、古人の半步に當たり、あるいは跬と稱する(季旭昇)。『小爾雅・廣度』跬、一舉足也。倍跬謂之步。

甲骨文での用義は次のとほり。

金文の步は屢々中山王墓に出土した兆域圖銅板に見え、量詞に用ゐる。從內宮㠯(以)至中宮丗(卅)步。この量詞は人が兩足をそれぞれ一度づつ進める距離に相當する。『禮記・王制』古者以周尺八尺為步、今以周尺六尺四寸為步。『史記・秦始皇本紀』六尺為步。周は八尺を一步となし、秦は六尺を一步となし、古代の尺制は一つでないことが十分に窺へる。推算に據ると、兆域圖は「五尺為一步」とすべきで、一尺はおよそ22cm。

古璽、陶文では步を姓氏に用ゐる。『通志・氏族略三』步氏、姬姓。晉公族郄氏之後、步揚食采於步、遂以為氏……又步鹿氏改為步氏、望出潯陽。

屬性

U+6B65
JIS: 1-86-35
人名用漢字
U+6B69
JIS: 1-42-66
當用漢字・常用漢字

關聯字

步に從ふ字

步聲の字