宰 - 漢字私註

説文解字

宰
辠人在屋下執事者。从。辛、辠也。
宀部

康煕字典

部・劃數
宀部七劃
古文
𡪤
𡨧
𠈾

『唐韻』作亥切『集韻』『韻會』『正韻』子亥切、𠀤哉上聲。『說文』官稱。『玉篇』治也。『增韻』主也。『周禮・天官』立天官冢宰、使帥其屬掌邦治。《註》冢、大也。又大宰、掌建邦之六典、以佐王治邦國。《註》大宰、治官之長、兼總六官也。大宰之副貳曰小宰。又有宰夫之職、掌治朝之法。『鄭註』宰夫、主諸臣萬民之復逆、故詩人重之、曰家伯維宰。

又『周禮・地官』有里宰、掌比其邑之衆寡、與其六畜兵器。

又家臣之長曰宰。『詩・小雅』諸宰君婦。《註》諸宰、家宰也。

又『廣韻』制也。『正字通』爲事物主也。『史記・禮書』宰制萬物、役使羣動。『荀子・正名篇』心者、道之主宰。

又屠也、烹也。主膳羞者曰膳宰、亦曰庖宰。『前漢・𨻰平傳』里中社、平爲宰。平曰、使平得宰天下、亦如此肉。『顏師古註』主切割肉也。

又姓。周大夫宰孔之後、以官爲氏、周宰咺、漢宰直。又宰父、複姓。

又叶子里切、音擠。『詩・大雅』疚哉冢宰。叶紀止里。

又『說文』宰、辠人在屋下執事者。从宀从辛。辛、辠也。○按『周官』大小邑宰、皆由賢能升進。从辛訓辠、泥、不可从。

部・劃數
宀部十二劃

『玉篇』古文字。註詳七畫。

部・劃數
宀部八劃

『集韻』古作𡨧。註詳七畫。亦作𠈾。又作𡪤

部・劃數
人部七劃

『集韻』古作𠈾。註詳宀部七畫。

音訓

サイ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・海・宰』作亥切〉
つかさどる。をさめる。つかさ。きる。さく。ほふる。にる。

解字

白川

の會意。宀は宗廟や宮室の建物。辛は大きな把手のある曲刀の象、牲肉を切る庖丁。宗廟に犧牲を供するとき、天子は鸞刀を用ゐるが、これを宰割するのはおほむね長老の職のするところであり、その人を宰といつた。それで宰領、宰輔の意となる。

説文解字に辠人なり。屋下に在りて事を執る者なり。とするのは、辛を罪人に入墨するはりと解したのであらうが、この辛は宰割に用ゐる曲刀をいふ。

周金文に見える善夫は膳夫。宰と善夫とは、西周期には王の重臣として宰輔の職にあつた。

藤堂

(いへ)と(刃物)の會意。刃物を持ち、家の中で肉を料理することを示す。廣く仕事を裁斷する意に用ゐられる。

落合

會意。甲骨文は、建物の象形であると人が棒狀の物を持つ形のの異體に從ひ、家内奴隸を意味する。異體字には棒をに置換したものや、人の形を手の形()に簡略化したものなどがある。當時、奴隸は逃亡や反亂を防ぐために目を潰されたり足首を切斷されることがあり、それを表現して刃物の象形であるに從ふ字形もある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 戰爭捕虜の家内奴隸。刖や民の對象にもなつてゐる。また戰爭に動員する記述もある。
    • 《合集補編》38貞、其刖宰、死。
    • 《合集補編》1805貞、勿呼多宰伐𢀛方、弗其受有祐。
  2. 地名またはその長。《合集》3113其網旗。在宰。
  3. 厄災の意。《屯南》2785壬申貞、大示惟作我宰。

䇂に從ふ字形が後代に繼承され、更に金文で䇂がに變化した。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文はに從ふ。䇂は乂の初文で、治理の義を有す。宀は室家に關係のあることを表し、宰は家を治めることを表す。これは金文で宰を王家の事務の職責を管理する家臣となすことと相合ふ(參・樂郊)。

宰字は䇂に從ひ、には從はない。䇂の下部の縱劃は彎曲する形に作り、辛の縱劃は眞つ直ぐ作り、同じでない。後に段々と變形して辛の形となつた。舊く誤つて宰字は辛に從ふとされ、故に宰字は屋下で牲畜を屠殺する形と解釋された(吳其昌)が、不確か(不正確)である。

甲骨文では官職名や地名に用ゐる。金文では、王家内外の事務の管理に責めを負ひ、宮中の命を傳達する官職名に用ゐる(張亞初、劉雨)。

屬性

U+5BB0
JIS: 1-26-43
當用漢字・常用漢字
𡪤
U+21AA4
𡨧
U+21A27
𠈾
U+2023E

関聯字

宰聲の字