丌 - 漢字私註

説文解字

丌
下基也。薦物之丌。象形。凡丌之屬皆从丌。讀若箕同。居之切。
丌部

説文解字注

丌
下基也。字亦作。古多用爲今渠之切之其。『墨子』書其字多作亓。亓與丌同也。荐物之丌。象形。平而有足。可以薦物。凡丌之屬皆从丌。讀若箕同。居之切。一部。

康煕字典

部・劃數
一部・二劃

『集韻』居之切、音姬。『說文』下基也、薦物之具。象形。

又『集韻』古作丌。註詳八部六畫。

又姓。唐丌實、丌士能。

集韻

四聲・韻・小韻
平聲一・之第七・姬
反切
居之切

『說文』下基也。薦物之丌。象形。

別條に揭出する。

音訓・用義

(1) キ(漢) 〈『集韻・平聲一・之・姬』居之切〉[jī]{gei1}
(2) キ(漢) 〈『集韻・平聲一・之・其』渠之切〉[qí]

音(1)に讀んで、物を載せる臺を指す。

音(2)に讀んで、と通用する。

解字

白川

象形。物を置く臺の形に象る。とはまた異なる。

金文に代名詞のの字に用ゐることがあり、《牧𣪘》に敢ての不中不刑をたださざることなかのやうに用ゐる。

『古文尙書』や『墨子』『穆天子傳』に其に代へて丌を用ゐ、《三體石經》の『書・君奭』に基を丌に作る。

字はまた齊器の《子禾子釜》にに作り、臺上に物のある形。

藤堂

象形。足の附いた平らな臺座を描いた字。の下部に含まれる。

漢字多功能字庫

丌の異體をにつくり、これはの省文で、春秋以後の金文に見える。丌は物を載せて薦める臺を象る。例へば典、奠はそれぞれ簡冊、酒甁を卓上に置く形を象る。

金文では其字と同じく用ゐる。

楚簡では期の通假字となす。郭店楚簡・語叢三思亡亓は、「思無期」のこと。

馬叙倫は丌とは形聲義がみな近く、もと一字ではないかと疑つてゐる。

『集韻』其、古作丌、亓

屬性

U+4E0C
JIS X 0212: 16-4

関聯字

丌に從ふ字を漢字私註部別一覽・丌部に蒐める。