説文解字私註 七部

七部

説文解字
陽之正也。从一、微陰从中衺出也。凡七之屬皆从七。
康煕字典
一部
解字(白川)
切斷した骨の象。切は骨を刀で切る形。7に用ゐるのは假借。卜文、金文は、の縱劃を短くした形。膝などの骨節の形象と思はれる。
解字(藤堂)
縱劃を横劃で切り止め、端を切り捨てるさまの指示。また、分配するとき三と四になり、端數を切り捨てねばならないことから、中途半端な印象を持つ數を意味する。切の原字。
解字(落合)
甲骨文に數字以外の用法がなく、成り立ちは不明。切字の出現は篆文を待ち、切つた形とするのは後起の解釋の可能性もある。
解字(漢字多功能字庫)
七の形の解釋する説は多くあり、定論はない。その中で、切の初文とするものは比較的理がある。七は丨の中間を一で切る意、後に數詞に假借し、刀を加へて切字をつくつた。また一説に、兩手からそれぞれ一指を伸ばし縱横に交叉する形に象るとする。
古文字の中では、七と十は形が近いが區別される。七の甲骨文や金文は横劃が長く縱劃が短いか、縱横が似たやうな長さである。十の甲骨文や金文は、縱一劃、後に縱劃の中間に小さい圓點を加へる。金文では後に圓點を伸ばして横劃とするが、多くは横を短く縱を長くつくる。この他、七の甲骨文や金文はと同じ形で、兩字はただ辭の例によつてのみ區別できる。
大字は、漢代には桼を當て、後に漆を充てる。柒は漆の異體で、後に七の大字に專用する。
當用漢字・常用漢字

大字は柒、漆。