説文解字私註 象部

象 長鼻牙、南越大獸、三秊一乳、象耳牙四足之形。凡象之屬皆从象。
象之大者。賈侍中說、不害於物。从象予聲。
𢄮 古文。

象部 舊版

説文解字
象之大者。賈侍中說、不害於物。从聲。
𢄮 古文。
康煕字典
豕部九劃
《古文》𠄛
『廣韻』『集韻』『類篇』『韻會』羊洳切『正韻』羊茹切、𠀤音預。象類。『說文』象之大者、賈侍中說、不害於物。
『爾雅・釋詁』安也。『又』樂也。『玉篇』怠也、佚也。『正韻』悅也。『易・豫卦疏』謂之豫者、取逸豫之義、以和順而動、動不違衆、衆皆悅豫也。『書・太甲』無時豫怠。『詩・小雅』逸豫無期。
『增韻』遊也。『孟子』一遊一豫、爲諸侯度。『張衡・東京賦』度秋豫以收成。《註》秋行曰豫。
『爾雅・釋言』敘也。《疏》事豫備者亦有敘也。『玉篇』早也、逆備也。『易・旣濟』君子思患而豫防之。『禮・學記』禁於未發之謂豫。『中庸』凡事豫則立。《註》素定也。『玉篇』或作
『爾雅・釋詁』厭也。
參與也。『正韻』與通。『後漢・東夷傳』楚靈會申、亦來豫盟。『宋書・王弘傳』以私賤無名之人、豫公家有實之任。
猶、豫、二獸名、性多疑。凡人臨事遲疑不決者、借以爲喩。『史記・呂后紀』計猶豫未有所決。『禮・曲禮』作猶與。《註》與、本亦作豫。《疏》猶、玃屬。與、象屬。二獸皆進退多疑、人多疑惑者似之。
州名。『書・禹貢』荆河惟豫州。《疏》西南至荆山、北距河水。『釋名』豫州在九州中、京師、東都所在、常安豫也。『晉書・地理志』豫、舒也、言稟中和之氣性理安舒也。舒音豫。『廣韻』秦爲三川郡。漢爲河南郡。後魏置同州、又攺爲豫州。
姓。『潛夫論』豫氏、本姬姓。晉智伯臣豫讓。
『集韻』詞夜切、音謝。與通。『儀禮・鄕射禮』豫則鉤楹內、堂則由楹外。《註》豫、讀如成周宣榭之榭、今言豫者、謂州學也。一云與堂序之序同。
『集韻』商居切、音書。與同。伸也。
たのしむ。やすんずる。あそぶ。よろこぶ。おこたる。いとふ。あらかじめ。かねて。くみする。あづかる。
解字(白川)
聲。説文解字の兩義とも用例はない。
『書・顧命』に不豫たのしまず(補註: 中國哲學書電子化計劃Wikisourceは該當箇所を王不懌とする。『漢書・律曆志下』の引用では王有疾不豫とする。)、『孟子・梁惠王下』に吾王不豫あそばずなど、不豫、悦豫、逸豫の意に用ゐる。心部に悆字があり、忘るるなり。ゆるやかなるなり。周書に曰く、疾有りてたのしまずと。悆はたのしむなり。とあつて、『書・金滕』王有疾、弗豫。を引き、字を悆につくる。
「猶豫」は形況の連語で、舒緩の意。力部にエウエウ、緩やかなるなり。とあつて、その聲に舒緩の意があるのであらう。
豫定、豫占の意に用ゐるのは、象を豫占のことに用ゐたと思はれるが、そのことを確かめがたい。
解字(藤堂)
會意、は亦た音符。はのんびりしたものの代表。のんびりとゆとりをもつこと。
解字(漢字多功能字庫)
金文はに從ふ。八は予の上部の裝飾の筆畫、予は聲符、象は義符。説文解字は本義を大きい象とし、説文解字注に侍中說豫象𨿽大而不害於物。故寛大舒緩之義取此字。と註する。
金文では讀んでとなす。
當用漢字・常用漢字
《漢字表字體》