中國

語解


雜説

支那のことを「中國」と言ふのは、正確に缺ける。歴史的な言及をする際に彼の地のことを指す場合、今の國號の略稱である「中國」を用ゐるのはをかしい。碎いて言ふと、「中國」といふのは、「漢」とか「唐」とか「明」とか「清」とかと同列なものであるから、「中國の歴史」といふ謂ひは、辛亥革命後にしか適用できない筈のものである。歴代王朝を含んだ彼の地の歴史は「支那史」と呼ぶより外なく、今の國家に限定せず彼の地を呼ぶには「支那」といふ言葉を用ゐる外ない。