今宵、
あなたに
手紙を書こうと
思う
幾枚も便箋に綴ってきた
あの長い手紙の
続きを
また
宛てもなく
夜の中には舞いあがり
胸の中にはぼつぼつと燃えている
あの火のことを
それは空に程近いところで
吐息してふいに
火花をまき散らしている、と
咳のように散らばった
血の雫が
吐き出されては
硫黄の匂いをたてている、と
辺境に程近いあのあたりを指差して
夜の頂上では
名も知らぬ誰かの
危うげに開かれた目の奥をのぞき
耳がまだ聞いたことのない言語を
喉が歌っているのだ、と
この航行の最中
夜のデイバックには
憑かれてしまった魂が詰められている、と
切手を貼ることもない
旧い便箋に
時刻だけが写し取られている