何となしに見慣れていった煉瓦と剥き出しの石壁の家々。いつまでも未完成の屋上。人目を引く窓は四角な建築にぽたりと落ちている。汚れた白いカンヴァスにいきなり夏の空が一滴。山並みが見えると北に近づいたことを知る。きっと糸杉がもたらす既視感。ありえないノスタルジア。「母なる大地よ」まだ訪れもしないのに。
奇妙に浮き出した天然の要塞の麓、美しい墓地がくりぬかれている。螺旋を描いて下ってゆく記憶にあるノスタルジア。首都だ。

 
 
 
 
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