流離雨
何処かへ行きたいと願い
もしも 空を飛べたならと
落し子たちがさすらいをはじめる
降り注ぎし落し子たちは
無情の傘にも微笑み返し
雲の裂け目が音をたて
願いなき落し子は 自らの場に執着せず
私の求めしさすらいは
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知らぬところへ行きたいと祈り
踏み出せど
歩み行きしは 踏み固められし過去
張り巡らされしは 轍(わだち)の海
手垢にまみれ 異臭を放ち
縁(えにし)なきものの監視を招く
口走る者もあり
もしも 身体の重みがなかったならと
嘆く者もいるという
しかして
この道を外れたならば 人は人を保てない
抑圧を包含する重力の優しさは
己が己でなくなる自由を切り捨てるのだ
あるときは やすらかに
あるときは しめやかに
あるときは ささやきながら
あるときは さけびながら
人の身体に己を休め
人の動きに軌道を変えて
新たな地を知り 空を知る
怒りし人の眉にも宿り
全てを流す 落し子の舞
落し子たちを祝福し
人は眼(まなこ)を歪ませて
落し子たちを避けていく
ただ笑いあい 去っていく
さすらいに憧れる者よ 落し子たちを見るがいい
彼らが何処へ去っていくのか
彼らが何故 笑っているのか
落し子たちのそれに似ない
彼らは何処へを問わない故に
どこまでも行ける
私は何処を求める故に
結局どこへも行けはしない
| 回春路 の夢生様のカウント1111のリクエストで頂いた作品です。
「流離い」というテーマでお願いしたものに、素晴らしい詩を書いていただきました。お願いして此方でも展示させていただきました。有難うございました。 |
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