「NEVER SAY NEVER」
LINDA HILL 著
Naiad Press |
Linda Hill のデビュー作。 金融ソフトウェアを販売する主人公のレスリーは恋人のナンシーと別れたばかり。 彼女はソフトウェアのマーケティングのため、新しいアシスタントのサラ・スティーヴンズと一緒に働くことになり、仕事をするうちに有能で美しい彼女に引きつけられて行くのだが、サラには既に男の恋人がいた…。 異性愛者の女性への愛は報われるのか、というテーマで描かれたラブストーリーだが、会話が多く、主人公レスリーの切ない視点が良く出ていて、読んでいて非常に引きこまれる。 何度もダブルデートをしようとするサラに、ある時レスリーは自分がゲイであることを打ち明けると、サラはそれ以後レスリーを拒むようになってしまう。実は、彼女は高校生の頃に、同級生に告白されたことがあって、それ以来、否定的になってしまっていたのである。 一旦はそれを乗り越え、サラはレスリーに惹かれてゆき、二人は結ばれるのだが、常に不安を抱えるサラは、再びレスリーを拒否して姿を消してしまうのである。 二度も傷つけられるレスリーの気持ちが伝わってきて、感情移入してしまう。そして終幕への盛り上がり…。Linda Hillの作品ではベストだと思う。 |