ナイアドプレス社刊行書籍紹介
 
JUST YESTERDAY
「JUST YESTERDAY」
LINDA HILL 著
Naiad Press
エリザベスは現在の恋人ジョアンナと別れようとしている。
その時、以前の恋人であり、今はアンカーウーマンとして活躍しているグレースに出会い、付き合い始める。ミシガンとロス・アンジェルスと離れているが、二人はデートを続け、今度こそ一緒に住もうと計画を立てる。
しかし、グレースはニューヨークでのキャリアを選び、エリザベスはまたグレースに捨てられた10年前と同じになるのではないかと苦しむ…。
著者が、最終章はどうするか最後まで悩んだと書いてあるだけあって、エリザベスの恋の行方は最後まで引っ張って、飽きさせない。今までの作品もそうだが、このストーリー・テリングの技術がリンダ・ヒルの良さの一つと思う。
今までの作品は幾らか夢物語的で、ハッピーエンドに至る道のりが物足りないところもあった。今回のエンディングは納得のいく結末と感じた。



CLASS REUNION
「CLASS REUNION」
LINDA HILL 著
Naiad Press
Class Reunionとは同窓会。
主人公ジェニファーのところに同窓会の手紙が来るが、彼女は、高校まで恋人だったシェイラに会うことを怖れている。小さな頃から一緒に過ごしてきて、ジェニファーは二人は愛し合っていると信じていたのに、シェイラはいきなり結婚してしまったのだ。
Just Yesterdayも似た設定だが、こちらの方は同級生で子供の頃からの二人が、別れてしまい、再び出会う設定。話もちょっと甘く軽い。
本としても薄く、夢のようなハッピーエンディング。



NEVER SAY NEVER
「NEVER SAY NEVER」
LINDA HILL 著
Naiad Press
Linda Hill のデビュー作。
金融ソフトウェアを販売する主人公のレスリーは恋人のナンシーと別れたばかり。
彼女はソフトウェアのマーケティングのため、新しいアシスタントのサラ・スティーヴンズと一緒に働くことになり、仕事をするうちに有能で美しい彼女に引きつけられて行くのだが、サラには既に男の恋人がいた…。
異性愛者の女性への愛は報われるのか、というテーマで描かれたラブストーリーだが、会話が多く、主人公レスリーの切ない視点が良く出ていて、読んでいて非常に引きこまれる。
何度もダブルデートをしようとするサラに、ある時レスリーは自分がゲイであることを打ち明けると、サラはそれ以後レスリーを拒むようになってしまう。実は、彼女は高校生の頃に、同級生に告白されたことがあって、それ以来、否定的になってしまっていたのである。
一旦はそれを乗り越え、サラはレスリーに惹かれてゆき、二人は結ばれるのだが、常に不安を抱えるサラは、再びレスリーを拒否して姿を消してしまうのである。
二度も傷つけられるレスリーの気持ちが伝わってきて、感情移入してしまう。そして終幕への盛り上がり…。Linda Hillの作品ではベストだと思う。



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