読書メモのページ
 
「図説 科学で読むイスラム文化」
ハワード・R・ターナー 著
青土社

1月15日

科学史の面から読む、西洋、また世界の科学の発展に大きな影響を与えたイスラム文化の評価をする。
教科書的な本で、イスラム発生当時からイスラム文化の凋落した16世紀に渡るまでの広範な内容を、項目別にまとめてあり、手引きとして読みやすい本。
数々の図版が収められているので、それも楽しめる。
「夢みる権利」
ガストン・バシュラール 著
ちくま学芸文庫

1月15日

バシュラールの書いた、随筆や本の序文などをまとめたもの。短く、読みやすいが、美しい文章の数々で満ちている。
特に、「夢の空間」など、正に夢想に浸る心地について書かれている。

世界は見られることを望んでいる。見るための眼が存在する以前には、水の眼、森閑とした水の巨きな眼が、花々の開くのをみつめていた。そして、世界が自分の美を最初に意識したのは−−誰が異論をはさみえようか!−−この水に映った影においてなのだ。 (P18)
「四人の托鉢僧の物語」
ミール・アンマン 著
平凡社東洋文庫

1月9日

美しい事物の描写で溢れる千夜一夜物語に似た空想物語。物語の構成は型にはまったものだが、生き生きとした描写があって面白い。
「天の音楽・地の音楽」
R・ハマーシュタイン 他 著
平凡社

1月8日

叢書 ヒストリー・オヴ・アイディアズ29
「REPORT FOR MURDER」
Val McDermid 著
The Women's Press

1月8日

ヴァル・マクダーミッドのミステリ。ヴァル・マクダーミッドは日本でも翻訳されて紹介されているくらい有名な作家だが、この本はあまり面白くなかった。
英語で読んでいるせいかもしれないが、今一つ雰囲気が入りこめないものがあった。
主人公はレズビアンで左派で新聞記者のリンゼイ・ゴードンだが、別に、レズビアンであってもなくても話には大して関係はない。それはそれでいいのだが、それならレズビアンの棚でなくても普通小説のところに置いてあってもいいようなものだ。
推理小説としても、推理と言うより、総当り戦的に、容疑者を潰していくというのが、詰まらない。
一番面白かったのは、リンゼイ・ゴードンと、恋人の収入格差と階級差?から口争いが起こるところだった。リンゼイの恋人は金持ちのため、「邸宅」に住んでいるのだが、初めてそこを訪れたリンゼイはそれを見て、「落ち着けない」と言うのである。リンゼイの方はアパートの一番安い部屋に住んでいるのだが、そちらの方が描写としても楽しく描かれていて、確かにそういうこともあるだろう、と思った。
シリーズ一作目ということで、続けて読んでいけば楽しめるかもしれないが…。
「ニューヨークの詩人」
ガルシア・ロルカ 著
福武文庫

1月7日

ロルカがニューヨーク滞在時の印象を描いた詩集。シュールレアリスムの手法を取り、様々なイメージが散りばめられた本。
しかし、何となく思想的に古さと、差別感を感じてしまうものがあった。
「捜査官ケイト 夜勤」
ローリー・キング 著
集英社文庫

1月7日

性犯罪者が殺害される事件が相次ぎ、サンフランシスコ市警のケイト・マティネリ捜査官が事件を追う。
インドのカーリー女神をモチーフに、性犯罪、虐待への怒り、について描く。
最初はテンポもだるく、文章もぎこちないので(これは翻訳のせいもあると思う)読み辛かったが、後半はまあまあ面白かった。カーリー女神、旧約聖書の女性、雅歌の解釈、などの部分が興味深い。ペイガニスムと合わせて調べてみたいと思った。
正直言って、翻訳が今一つだと思った。日本語としても変なところがあるのが気になる。
「庭園の世界史 地上の楽園の三千年」
ブノア・メシャン 著
講談社学術文庫

1月6日

陶酔しているかのような文章。庭を愛する著者が、中国、日本、グラナダ、フランスなどの庭園について語る。
特にフランス人である著者が称揚するヴェルサイユ宮殿の描写は素晴らしい。目くるめくような往時の宮廷社会の様子も窺われる。
「暗殺者教団」
岩村忍 著
ちくま学芸文庫

1月5日

「一日一日が旅だから」
メイ・サートン 著
みすず書房

1月3日

メイ・サートンの詞花集。
back
アラブ小説紹介 ナイアドプレス作品紹介 読書メモ リンク
こちらは詩集・ミステリを中心とした読書メモのページです。気が向いたら随時更新。
アラブ小説・ナイアドプレス出版作品については、別ページでまとめています。

Copyright (C) 2002- ROSARIUM