読書メモのページ
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「魔法飛行」
加納朋子 著 創元推理文庫 3月7日 |
日常の只中にある謎を解き明かす短編とそれを貫いていく、もう一つの謎。 優しい語り口で、読んでいてほっとする推理小説。女子大生である駒子やその友人の描写にはリアリティを感じる。北村薫のシリーズにも似ているが、それよりももっとありきたりなところのある主人公が良い。 |
「ホーニヒベルガー博士の秘密」
ミルチャ・エリアーデ 著 福武文庫 3月4日 |
インドの神秘主義をモチーフにした幻想短編小説が二篇収められている。しかし、タントラ、ヨーガなどの思想と神秘主義の影が多くて、あまり好きではない。オカルト趣味に過ぎる感じがするのだ。 インドの夜の描写は美しくなまめかしい。ブクレシュティには思い入れもあるので、魅力的だが、期待ほどではなかった。 |
「薔薇忌」
皆川博子 著 集英社文庫 3月2日 |
舞台にまつわる幻想短編集。 演劇、舞台、と言うものの持つ、怪しげな魔力と幻想が描かれている…のだが、少し物足りない。 短編集のせいかもしれないが、もっとこの雰囲気が続けば良いのに、と思わされてしまう。 「翡翠(かわせみ)」の描写やストーリーなどの進め方は美しくて面白いのだが…。 |
「読書について」
ショウペンハウエル 著 岩波文庫 2月27日 |
限定された、良書=古典を読むことを口を酸っぱくして言っている、という印象の本。 |
「スプートニクの恋人」
村上春樹 著 講談社文庫 1月16日 |
村上春樹の小説とは相性が悪いのだが、意外に素直に読めて、面白かった。 文章は固有名詞の洪水。時々疲れる…。 |
「古本街の殺人」
紀田順一郎 著 創元推理文庫 1月15日 |
愛書家に絡むミステリ。 こういう本を読むと、やはり自分は愛書家にはなれないと思う…。本を集める気持ちは分かるが、読まない本を集める気にはなれない。 |
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こちらは詩集・ミステリを中心とした読書メモのページです。気が向いたら随時更新。
アラブ小説・ナイアドプレス出版作品については、別ページでまとめています。 |
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