音楽と読書と雑多な断片記録
 
12月14日 
色々やろうと思っていたが、結局寒いのと疲れたので、一日ゆっくりしていた。久しぶりである。もっと眠る時間があれば良いのだが。

夕方に出掛けたついでにブックオフに寄って本を探す。丁度文庫本の半額セールで、4冊買って210円であった。中公文庫の推理小説が珍しかったので購入。「ウサギ料理は殺しの味」と言うのはフランスの探偵小説なのだが、まあまあ、面白そうだ。

それから、近所の書店で物色。先週欲しいと思っていた本は今週になって見ると、買うほどではないと思ったので購入を止める。その代わり、半年近く棚晒しになっていた本を買う。これは前々から気になっていたのだが、そろそろ誰かが買わないとなくなるのではないか、という気がしていたのだ。1972年初版で、1992年発行だが、まあまあ表紙は綺麗だ。

頼まれ事があったので、夜遅くまで起きているためにCDを聞く。最近は音楽も聞いていなかった。Cheb Mamiの 「Dilai」を聞くが、何だかいつもイヤホンで聞いているのと感じが違う。
夜遅いのであまり大音量で聴けないせいもあるかも知れないが、何と言うか、音質が良すぎるのだ。
音質が良くて文句のあろう筈はないのだが、物足りない。カセットテープの歪んだ、搾り出すようなものがない感じがする。

他には、Kara Ciecgimの 「Askin Nur Yengi」。これはトルコ人の女性歌手で、最初の曲はハキームを思わせる。全般にダンサブルで、ポップ。可もなく不可もなく。

そして、Souad Massi 「Raoui」。フランスで活動するアルジェリア人の女性の歌手。
これはお気に入りの一枚で、アコースティックなギターとSouadの切々とした歌い方がとてもとてもいい。歌詞の分かるところも心に響く。愛の歌だと本人は言っているそうだが、それだけではなく、故郷であるアルジェリアへの思いも籠められていると思う。


今日の購入品
『ウサギ料理は殺しの味』P・シニアック 中公文庫
『ロックスバーグ鉄道殺人事件』K・C・コンスタンティン 中公文庫
『パンセ 上下巻』パスカル 新潮文庫
『道徳形而上学原論』カント 岩波文庫
『方法序説』デカルト 岩波文庫
『塔の思想 ヨーロッパ文明の鍵』マグダ・レヴェツ・アレクサンダー 河出書房新社

12月13日 
例によって24時過ぎに帰宅すると、注文していた本が届いていた。コニー・ウィリスが共著のSF。コニー・ウィリスは結構好きなので、楽しみ。


今日の購入品
『アリアドネの遁走曲』コニー・ウィリス& ハヤカワ文庫

12月11日 
通勤の合間で何とか「マイトレイ」と、「魔女が笑う夜」を読了。
マイトレイはミルチャ・エリアーデの小説の中ではとても素直でリアルな表現だと思う。痛々しいほど。

また12時を越える帰宅。いつまでもこんな生活してたら死んでしまう…と言いつつも、まだハードの極みではない。まだまだ先がある。

12月8日 
熊谷ユリヤの詩集「名づけびとの深い声が」を読了。
どこか少女的で、ロマンティック。井辻朱美と似ている、というほどではないが、SF的な世界を彷彿とさせる言葉。

12月7日 
休日出勤するつもりで会社に行ったら閉まっていた…。

帰り道、遠回りして駅まで歩く。途中で本屋に寄ると、何と偶然にも四谷シモン氏のサイン会があった。
どうしよう、と迷ったが、よくよく考えるとそれほど球体間接人形が大好きということでもないので、何となく貰いそびれた。氏は穏やかな雰囲気の方で、何か話し掛けて見たい気もしたのだが。席の後ろではペヨトル工房の書籍が置いてあって、こちらにも興味があったのだが、生憎と欲しいと思っていたものがなかったので、これも買わなかった。

野町和嘉の「MECCA」を発見。手にとって見ると、聖地へ巡礼する人々の渦があった。とても素晴らしくて、買いたかったのだが、お金が出なくて結局諦める。
いつか、必ず買おう。メッカにも行こう。
代わりに岩波新書のカラー版の「メッカ」を買った。
野町和嘉の写真集は、まだ、「モロッコ」しか持っていない。エチオピアを撮った写真集も一度見てみたいのだが。(絶版らしい)

思い出して、NHKのラジオ講座のコーナーへ。
アラビア語会話のテキストを購入。フスハーを習ってから、随分経ってしまって、全然勉強していないので、やりなおすきっかけにも、と思う。

今日の音楽「RAI meets RAGGAE」。いいのもあればそれほどでもないのもあり。でも何度も聞いてしまう。Cheb Tarikがやはり良い。後は、Marvelous & Gorgeous。


本日購入本&テキスト
「名づけびとの深い声が」熊谷ユリヤ 思潮社
「メッカ −聖地の素顔−」野町和嘉 岩波新書
「魔女が笑う夜」カーター・ディクスン ハヤカワ文庫
「NHKラジオ アラビア語会話講座」講師 本田孝一

12月4日 
夜、クライアントのところを出て駅に向かっていると、同じ会社の社員数人に会って途中まで一緒に帰った。お互い、同じクライアントのところへ行っているのだが、大きい会社なので会うことはあまりない。
今度女性社員だけでご飯を食べに行きましょうと約束。時間があればね…。

「マイトレイ」を読んでいる。エリアーデのいつもの幻想的な小説とは違い、自伝的な小説だけに、リアルな小説だ。とてもリアル。
エリアーデの幻想小説全集が作品社から出版されるということで楽しみである。中々手に入らないものなどもまた読むことが出来る。

楽しみと言えば、再来週のNHKのラジオではアラビア語会話講座が放送されるのである。これも楽しみな内容だ。まだテキストは買っていないのだが、先生は本田孝一氏で、表紙も美しいカリグラフィーのようである。買いに行かなければ。

12月3日 
夜、帰ってからたまたまテレビを見ていると、音楽番組でキュアーのカバーをやっていたので、CDを発掘。久々に聞いてみた。「キリング・アラブ」などが入っているのだが、歌詞はともかくけだるいパンクロックの音楽も時には良い。
この曲は、歌詞カードによると、「人種差別の曲として批判されたこともあるが、実は、カミュの「異邦人」からインスパイアされた作品」とある。
カミュ自身の著作に疑問点が多いと思われる現在に至ってはこの歌詞カードの解説も謎である。

12月1日 
本日はミロ展の最終日だったので、午後ぎりぎりになってから出掛ける。さすがに人出が多い。
あまり抽象的であったり、写真とのコラージュなどよりも、星座シリーズのような色と線とが独特の世界を生み出しているような絵の方が好きである。特に「椰子の木のある家」など、田舎家を描いたものなどは、地中海沿岸の雰囲気があって懐かしくて好きだ。始めて新聞で見たミロの絵が「農場」だった。あれを思い出させるからというのもあるかもしれない。

11月30日 
午前中用事を済ませて、午後からルドン展を見に行った。
初めて行く場所だったので、電車を間違えて、遠回りしてしまった。おかげで着くまでに2時間もかかった。
展覧会は初期の集作から黒の時代、そして色のある絵へとの流れで構成されており、順番に見ていくと、画家の変遷がよく分かる。黒の時代のストイックな神秘性が色によってはっとするほど官能的な幻想に変わっていくように思われた。
デビュー作である「夢の中で」は、タロットのような、ある一つの物語がばらばらのカードに象徴されているかのような印象を受ける。また、ダンテの「神曲」のような、一つの魂の旅路の物語であるとも思える。
フロベールの「聖アントニウスの誘惑」のシリーズがあったが、これはダリの同じテーマの絵を先に見たことがあるので、それと思い較べながら見てしまう。どちらかというとルドンの表現はおとなしいものに感じるが、石版画のモノトーンな絵も美しい。フロベールのこの小説が読んでみたくなった。フロベールは、サイードの「オリエンタリズム」で取り上げられている作家であり、「フロベールのエジプト」が、叢書ウニベルタシスから翻訳されているのを知って、読んでみたいと思っていたところなので、特に興味を覚えた。
ここでは、小説の挿絵ということで、小説中の文章が抜き出されて付されていたが、他の絵でも、添えられたタイトルが詩の一節のよう。それを読んでいくだけでも面白い。マグリットのような思わず笑ってしまうようなタイトルではなく、もっと神秘主義的な一節。
些細なことだが結婚相手のカミーユ・ファルトが旧植民地出身というのも興味を引かれるているところ。
時間もあまりなく、駆け足気味だったので、時間があればもう一度行って見てみたい。
ミュージアムショップで、絵葉書やカタログなどをあれこれと購入。地方の美術館だからなのか、ショップが小さいのが残念。しかし、群馬の高崎美術館などは書籍も充実していて中々なのだが。でも大きくて充実していると言うことは、これまた散財のもとなのであった。

本当は戻ってから仕事に行く約束だったのだが、遅くなってしまったので中止。そのため店に寄る時間ができたので、また買物をして帰宅。今度はいつ買いに来る暇があるか分からないと思うと、ついつい色々買ってしまう。

電車で読んでいた「栗色の髪の保安官」を読了。内容はいいところもあるが、タイトルがよくない。


今日の購入品
『ルドン展−絶対の探求−』 中日新聞社発行

11月29日 
今日は珍しく21時で仕事を終了。今日のクライアントとの打ち合わせもさしてトラブルなく済んだので助かった。
懸案だったことも片付いたので、少しだけだが、余裕が出てきた。あとはこのサイトの更新をしなくては。

この頃の朝のBGMは何故かエジプト国歌である。エジプト国歌の歌詞があまり軍歌調でないため気に入って、繰り返し聞いている。
最近は音楽を聞く時間もなかったが、またそろそろCDも聞きたい。今夜はハーニー・シャーキルを聞こう。

「かささぎの啼く村」を読了。朝の忙しい時間に目を通したが、これからは詩も毎日少しづつでも読んで行こうと思う。

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