Ⅰ.嫌悪 ハハハ あー え？ うん 大丈夫 アハ えー ふぅー 大丈夫 平気平気 うんうん ちょっとトイレ行ってくるわ Ⅱ.ドア越し ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる ぐる 落ち着け自分 落ち着け君 落ち着けーーーーーーー！ ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる 嫌いな人がいても平常心平常心 Ⅲ.都会夜空 少し剥がれ気味のペディキュアを気にしながら 都会を歩いてみた 星の見えない空 全然暗くない街 黒い幕の張ったドームの中にいるようで 圧迫され続けた 星のない空は嫌だ 夜は暗いものなんだ 人間臭さと 腐ったゴミの臭いと 排気ガスの臭いと 僕らの吐く空気の臭いで 都会の夜空光を失った Ⅳ.池袋駅 止まることを知らない電車たち 絶えず送り込まれる人間たち 街は止まらない 時間のように止まらない どこへ向かうかは私が決める どこにでも行けた でも家路を選んだ Ⅴ.町田駅 夜の街をふらついた 何をするわけでなく すぐ乗り換えたくなかった 外の空気を吸いたかっただけだった 小さな街の夜は キャッチのお兄さんと 仕事帰りのおじさんと 仕事へ向かうお姉さんと 土曜の夜を楽しむカップルと 一人彷徨う私 街頭ライブ 立ち止まらずに 乗り換え駅と向かう 本当に何もしない ただ歩いて空気を吸うだけだった 夜なのに眠らぬ僕らの吐く息は街を汚す Ⅵ.淵野辺駅 旅が終わった 電車から降りて空気を吸う 緑の匂いがした 人間臭さよりも 緑の匂いが勝った みんなただ家に帰るだけ 私も帰るだけ 疲れ果てた人間たちの背中を見ながら 疲れ果てた私も家に帰った Ⅶ.帰宅 「ぐるぐる」と言わなくなった腹、少し腹が減った 近くのコンビニで コーンサラダ100円と チョコラＢＢ286円を買った それだけで今日は腹いっぱい 肌荒れもいっぱい ただいま え？ うん そうそう 楽しかったよ でも疲れたー すぐお風呂に入るね んじゃ おやすみ ぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐー ぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐー ぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐー ぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐー ぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐーぐー 消えた空 緑香る空 バーチャルリアリティから消えた空 ドームに覆われた街 そうだ 逃げよう 神奈川県相模原市は緑香る空 人々が家路に着く街 そうだ 帰ろう