諫 - 漢字私註

説文解字

諫
証也。从聲。
言部

康煕字典

部・劃數
言部九劃
古文
𧧅

『唐韻』古晏切『集韻』『韻會』『正韻』居晏切、𠀤音㵎。『說文』証也。《徐曰》閒也。君所謂否、臣獻其可、以閒隔之、於文言柬爲諫。柬者、多別善惡、以𨻰於君。『白虎通』閒也、因也、更也。是非相閒、革更其行也。『詩・衞風・淇奧序疏』干也。干君之意而告之。『廣雅』正也。『廣韻』諫諍、直言以悟人也。『書・說命』后從諫則聖。『禮・曲禮』爲人臣之禮、不顯諫、三諫而不聽、則逃之。子之事親也、三諫而不聽、則號泣隨之。『前漢・賈山傳』工誦箴諫、瞽誦詩諫、公卿比諫、士傳言諫過。『舊唐書・職官志』凡諫有五、一曰諷諫、二曰順諫、三曰規諫、四曰致諫、五曰直諫。

又官名。『周禮・地官』有司諫。《註》諫猶正也、以道正人行。『後漢・百官志註』胡廣曰:武帝元狩五年、置諫大夫爲光祿大夫。世祖中興、以爲諫議大夫。

又鳥名。『說苑・辨物篇』東方有鳥、名諫珂、文身而朱足、憎鳥而愛狐。

又果名。『本草綱目』橄欖、一名諫果、出『農書』。

又姓。『風俗通』漢有治書侍史諫忠。

又『集韻』居顏切、㵎平聲。『類篇』諍也。

又『集韻』郞旰切、音爛。與讕同。

又叶古限切、音𥳑。『詩・大雅』王欲玉女、是用大諫。叶上反。

又叶經𩃓切、音見。『卻正・釋譏』譬逌人之有采於市閭、游童之吟詠乎疆畔、庶以增廣福祥、輸力規諫。《註》畔音弁。

『俗書證誤』从東、非。

異體字

簡体字。

音訓

カン(漢) 〈『廣韻・去聲・諫・諫』古晏切〉[jiàn]{gaan3}
いさめる

解字

白川

形聲。聲符は

『説文解字』にただすなりとあり、証字條に諫むるなりとあつて互訓。

詩・大雅・民勞王欲玉女、是用大諫。(王、なんぢを玉にせんと欲す。ここて大いに諫む。)など、『詩』にも多く見える。

周初の《大盂鼎》に朝夕に入りて諫むとあり、その字形は中にを加へた形に從ふ。柬の初形は東で橐の形。門は廟門。廟門に贖物を收めた橐を供へて祈る意で、もと自らの罪を謝することであつたらしい。

のち戒敕(補註: 訓誡)する意となり、《番生𣪘》にて四方をただし、遠きをやすんじ𤞷ちかきををさのやうにいふ。

のち人の誤りを諫正する意となつた。

藤堂

と音符(善し惡しを分ける、おさへる)の會意兼形聲。

漢字多功能字庫

に從ひ聲。忠告、助言を表す。

高田忠周は『周禮・地官・司諫・注』諫、猶正也。以道正人、蓋言說正道也。其言也不可不柬擇焉、諫之言柬也。と曰ふ。

その意は、諫は善言を以て助言することを表し、忠言する、諫めるの意を有す。柬は聲を標すほか、進諫(進言し諫める)言葉が選擇を經ることを表す。

金文では本義に用ゐ、諫める意を表す。大盂鼎敏朝夕入讕(諫)は、朝夕にきびきびと勤め諫言を進めることを表す。金文に諫める意の諫を讕に作り、言とと柬に從ふ。柬は聲符。門の意は不明。

戰國竹簡でも進諫を表す。《上博楚竹書四・內豊》孝而不諫、不成[孝]。一途に父母に孝順して諫めないのは、眞正の孝ではないことを表す(季旭昇)。

金文にまた言と柬に從ふ字があるが、後世の諫めることを表す諫と同じ字ではなく、疑ふらくは誎、と同じ字で、治理、整敕(いづれも整へ治めるの意)を表す。番生簋用諫(敕)四方。叔尸鐘諫(敕)罰朕庶民。大盂鼎敏諫(敕)罰訟(參・金文形義通解)。また人名に用ゐる。

屬性

U+8AEB
JIS: 1-75-61
U+8C0F

關聯字

別字。