星 - 漢字私註

説文解字

曐
萬物之精、上爲列星。从聲。一曰象形。从口、古口復注中、故與日同。
段注に管子〔內業〕』云「凡物之精、此則爲生、下生五穀、上爲列星。流於天地之閒謂之鬼神。藏於胷中謂之聖人。」星之言散也。引伸爲碎散之偁。といふ。
晶部
𠻖
古文星。
星
曐或省。

康煕字典

部・劃數
日部・五劃
古文
𠻖
𤽛

『唐韻』『集韻』『韻會』桑經切『正韻』先靑切、𠀤音腥。『說文』萬物之精、上爲列星。从晶生聲。一曰象形。从口。古口復注中、故與日同。『釋名』星、散也、列位布散也。『書・堯典』曆象日月星辰。《傳》星、四方中星。又『洪範』五紀、四曰星辰。《傳》二十八宿迭見、以敘節氣。『又』庶民惟星、星有好風、星有好雨。《傳》星、民象、箕星好風、畢星好雨。『史記・天官書』星者、金之散氣。《註》五星五行之精、衆星列布、體生於地、精成於天、列居錯行、各有所屬。在野象物、在朝象官、在人象事。『前漢・天文志』經星常宿中外官、凡百七十八名、積數七百八十三星、皆有州國官宮物類之象。『淮南子・天文訓』日月之淫氣精者爲星辰。

又星星、猶點點也。『謝靈運詩』星星白髮垂。

又草名。戴星、文星、流星、皆穀精草別名。『本草綱目』此草生穀田中、莖頭小白花、點點如亂星。

又姓。『廣韻』『羊氏家傳』曰、南陽太守羊續、娶濟北星重女。

部・劃數
口部十一劃

『玉篇』古文字。註詳日部五畫。『集韻』作𤯢

部・劃數
生部・六劃

『集韻』、古作𤯢。註詳日部五畫。

部・劃數
日部十三劃

『玉篇』古文字。註詳五畫。亦作𠻖。又作

部・劃數
白部五劃

『字彙補』古文字。註詳日部五畫。

部・劃數
白部十三劃

『字彙補』古文字。註詳日部五畫。

音訓

セイ(漢) シャウ(呉) 〈『廣韻・下平聲・靑・星』桑經切〉[xīng]{sing1/seng1}
ほし

解字

白川

形聲。聲符は。正字はに從ひ、曐に作り、晶は星光の象。

『説文解字』に萬物の精、上りて列星と爲る。といふ。

藤堂

(きらめく三つの星)と音符の會意兼形聲。澄んで清らかに光る星。晶と生のどちらを聲符と考へても良い。生は生え出たばかりのみづみづしい芽の姿。

落合

を竝べることで、小さな星が多數ある狀態を表現してをり、初文は。異體字には小さな四角形や菱形を用ゐたものもある。また甲骨文の段階で既に、聲符としてを加へた形聲の字形もある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. ほし。祭祀對象になることもある。新星は彗星や超新星のやうな突然に現れる天體であらう。また鳥星は星の名。《合集》10344侑叀犬又羊又一人星。
  2. 動詞。詳細不明。《合集》11496翌戊申、毋其星。

古文で晶の部分を日に簡略化した字體が出現し、これが現用字の元になつてゐる。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文、篆文は、に從ひ聲。晶は星々の列ぶ形に象り、甲骨文は生を加へて聲符となす。本義は星々。甲骨文の晶と星はいづれも星々に象り、生聲に從ふ星字はしばしば晴天のに用ゐる(楊樹達、饒宗頤、李學勤)。《合集》15625反庚辰星(晴)は、庚辰の日は晴れることをいふ。『韓非子・說林雨十日、夜星。を『說苑・指武』に「夜晴」に作る。

晴を古く夝に作る。『説文解字』夝字條雨而夜除星見也。从夕、生聲。雨が夜に止んで星々が現れることを表す。晴れると星々が見えるので、星は晴の派生義を有す。段注(夝字條)暒者、雨止無雲也。古夝、暒、精皆今之晴。而『詩』作星。詩・鄘風・定之方中星言夙駕は、晴天の朝に車に乘ることを表す。星を以て晴を表すのは、甲骨文に同じ。

金文では人名に用ゐる。麓伯簋麓伯星父作匋仲姞寶簋。

戰國竹簡や漢帛書の用義は次のとほり。

段注星之言散也、引伸爲碎散之偁。星々の列ぶさまより、「星星之火、可以燎原」のやうに、分散、ばらばらの意を派生する。また數多く細かいの意を派生し、今日でも「星羅棋布」(種々の物が至るところに廣く分布するの意)の成語がある。

屬性

U+661F
JIS: 1-32-17
當用漢字・常用漢字
𠻖
U+20ED6
𤯢
U+24BE2
U+66D0
𤽛
U+24F5B
U+76A8

關聯字

星聲の字