革 - 漢字私註

説文解字

革
獸皮治去其毛、革更之。象古文革之形。凡革之屬皆从革。
革部
𠦶
古文革从三。三十年爲一丗、而道更也。𦥑聲。

説文解字注

革
獸皮治去其毛曰革。各本、獸皮治去其毛革更之、象古文革之形。文義、句讀皆不可通。今依『召南』、『齊風』、『大雅』、『周禮〔天官〕掌皮』四疏訂正。革與鞹二字轉注。皮與革二字對文則分別。如秋斂皮、冬斂革是也。散文則通用。如司裘之皮車卽革路、『詩〔召南〕羔羊・傳』革猶皮也、是也。革更之。二字雙聲。治去其毛。是更改之義。故引伸爲凡更新之用。『〔易〕襍卦傳』曰、革、去故也。『鄭注易』曰、革、改也。『公羊傳〔成二年〕』革取淸者。何曰、革、更也。『管子』輕重革築室房。《注》革、更也。象古文革之形。凡字有依倣古文製爲小篆。非許言之。猝不得其於六書居何等者。如革曰象古文革之形、弟曰從古文之象、民曰從古文之象、曰象古文酉之形、是也。易𦥑爲𠙵、葢省煩爲𥳑耳。而或云、從卅、從囗音韋、囗爲國邑、卅年而法更。此葢楊承慶字統之肊說。古覈切。一部。凡革之屬皆從革。
𠦶
古文革、從𠦃上廿下十。是三十也。𠦃年爲一世而道更也。據此則𠦶之本訓更。後以爲皮去毛之字。𦥑聲。𦥑、居玉切。在三部。革在一部。合音冣近。

康煕字典

部・劃數
部首
古文
𠦶

『唐韻』古覈切『集韻』『韻會』各核切、𠀤音隔。『說文』獸皮治去其毛。革更之。《註》徐鍇曰、皮去其毛、染而瑩之曰革。『韻會』皮熟曰韋、生曰革。呂氏曰、革者、去毛而未爲韋者也。『書・禹貢』齒革羽毛。《傳》犀皮。『詩・召南』羔羊之革。《傳》革、猶皮也。《疏》獸皮治去其毛曰革。對文言之異、散文則皮革通。『周禮・天官』掌皮掌秋斂皮、冬斂革。《疏》革須治用功深、故冬斂之。

又『正字通』人與獸皆曰革。『禮・禮運』膚革充盈。《註》革、卽膚內厚皮也。

又『禮・明堂位』革車千乗。《註》革車、兵車也。『周禮・夏官・司弓矢』王弓弧弓、以授射甲革椹質者。《註》革、革甲也。

又『玉篇』攺也。『易・革卦』天地革而四時成。『書・堯典』鳥獸希革。《傳》革、攺也。《疏》毛羽希少攺易。『洪範』金曰從革。《傳》金可以攺更。『管子・山權數』丁氏歸革築室。《註》革、更也。

又『爾雅・釋器』轡首謂之革。『詩・小雅』鞗革冲冲。《傳》鞗、轡也。革、轡首也。《疏》馬轡所靶之外、有餘而垂者、謂之革。

又『詩・小雅』如鳥斯革。《傳》革、翼也。《箋》如鳥夏暑希革張其翼時。『釋文』革、如字。韓詩作勒、云翅也。

又軍禮曰兵革。『禮・中庸』袵金革。《註》革、甲冑之屬。

又『周禮・春官・大師』皆播之以八音、金、石、土、革、絲、木、匏、竹。《註》革、鼓鼗也。

又『揚子・方言』革、老也。南楚江湘之閒代語也。

又姓。『廣韻』漢功臣表有煑棗侯革朱。

又『集韻』訖力切、音殛。本作䩯。急也。『禮・檀弓』夫子之病革矣。《註》革、急也。『釋文』紀力切。

又『集韻』竭億切、音極。義同。『禮・檀弓・釋文』又音極。『集韻』或作亟。

部・劃數
十部十一劃

『說文』古文字。註詳部首。

音訓

(1) カク(漢) 〈『廣韻・入聲・麥・隔』古核切〉[gé]{gaak3}
(2) キョク(漢) 〈『集韻』訖力切、音殛〉[jí]{gik1}
(1) かは(皮革)。あらたまる。あらためる(革易)。
(2) せまる。すみやか。きびしい。

解字

白川

象形。獸の革をひらいた形に象る。皮革をいふ。

『説文解字』に獸皮なり。其の毛を治去して、之れを革更するなり。といふ。

獸皮を剝ぐを剝、ひらくを皮、披、去毛を革、なめしたものを韋皮といふ。

藤堂

象形。動物の全身のかはをぴんと張つたさまを描いたもので、上部は頭、下部は尾と兩脚。張り詰める意を含む。

落合

象形。動物の皮を剝いだ形に象る。字形は皮の正面形の𦰩に近く、字音は皮の側面形の克に近い。甲骨文では單獨で一例、字の構成要素としての初文の䩗の一例が見えるのみ。

《殷墟花園莊東地甲骨》474己巳卜子、福告、其𣐺革于妣庚。

漢字多功能字庫

金文は割き剝がした後の獸皮を展列する形に象る。上は頭、中は身、下は尾を象る。身の部分は後に𦥑(兩手の形に象る)の形に變はつた。本義は獸皮。

一説に、革字の金文は、獸の頭、角、足、尾の形と、兩手で毛を取り去るさまに象るといふ(參: 林義光、高田忠周、高鴻縉)。また一説に、割き剝がした後の獸皮を展列する形、上は頭、中は身、下は尾に象り、その身の部分が後に變形して𦥑(兩手の形に象る)の形となつたといふ(參: 金文形義通解)。

初義は皮革。引伸して甲冑の屬を指す。鄂君啟車節毋載金革黽(龜)箭や『禮記・中庸』衽金革、死而不厭、北方之強也の革は甲冑の屬を指す。

金文では多く用ゐて勒(頭絡)となす。康鼎命女(汝)幽黃、鎥革、『詩・小雅・采芑』簟笰魚服、鈎膺鞗革、『蓼蕭』既見君子、鞗革沖沖の革は用ゐて勒となす(參・金文形義通解)。

屬性

U+9769
JIS: 1-19-55
當用漢字・常用漢字
𠦶
U+209B6

關聯字

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