玉 - 漢字私註

説文解字

玉
石之美。有五德。潤澤以溫、仁之方也。䚡理自外、可以知中、義之方也。其聲舒揚、尃以遠聞、智之方也。不橈而折、勇之方也。銳廉而不技、絜之方也。象三玉之連。、其貫也。凡玉之屬皆从玉。
玉部
𤣪
古文玉。

康煕字典

部・劃數
部首
古文
𤣪

『唐韻』『正韻』魚欲切『集韻』『韻會』虞欲切、𠀤音獄。『說文』石之美者。玉有五德、潤澤以溫、仁之方也。䚡理自外、可以知中、義之方也。其聲舒楊、專以遠聞、智之方也。不撓而折、勇之方也。銳廉而不技、絜之方也。『五音集韻』烈火燒之不熱者、眞玉也。『易・鼎卦』鼎玉鉉。《疏》正義曰:玉者、堅剛而有潤者也。又『說卦』乾爲玉爲金。《疏》爲玉爲金、取其剛之淸明也。『詩・大雅』金玉其相。『禮・聘義』君子比德於玉焉。溫潤而澤、仁也。縝密以栗、知也。廉而不劌、義也。垂之如隊、禮也。叩之其聲淸越以長、其終詘然、樂也。瑕不掩瑜、瑜不掩瑕、忠也。孚尹旁達、信也。氣如白虹、天也。精神見于山川、地也。圭璋特達、德也。天下莫不貴者、道也。『管子・侈靡篇』玉者、隂之隂也。『白虎通』玉者、象君子之德、燥不輕、溫不重、是以君子寶之。

又水玉、水精也。『史記・司馬相如傳』水玉磊砢。《註》水玉、水精也。

又美貌也。『公羊傳・宣十二年』是以使寡人得見君之玉面、而微至乎此。《疏》言玉面者、亦美言之也。『史記・𨻰丞相世家』如冠玉耳。

又珍食曰玉食。『書・洪範』惟辟玉食。『釋文』漢書云、玉食、珍食也。

又時和曰玉燭。『爾雅・釋天』四時和謂之玉燭。《疏》言四時和氣、溫潤明照、故曰玉燭。又地名。『左傳・哀十二年』宋鄭之閒有𨻶地焉、曰、彌作、頃丘、玉暢、嵒、戈、鍚。《註》凡六邑。

又河名。『正字通』後晉天福中、鴻臚卿張匡鄴使于闐、著行程記。言玉河在于闐城外、其源出昆山、西流一千三百里、至于闐界、疏爲三河、一白玉河、二綠玉河、三黑玉河。五六月水漲、玉隨流而至、多寡視水小大。七八月水退可取、彼人謂之撈玉。

又關名。『前漢・張騫傳』酒泉列亭鄣至玉門矣。《註》玉門關在龍勒界。

又星名。『後漢・郞顗傳』從西方天苑趨、左足入玉井。《註》參星下四小星爲玉井。

又木名。『山海經』開明北有文玉樹。《註》五釆玉樹。

又草名。『爾雅・釋草』蒙、玉女。《註》女蘿別名。

又『正字通』寒玉、竹別名。亦曰綠玉。

又鳥名。『前漢・司馬相如傳』鴐鵞屬玉。『郭註』屬玉似鴨而大、長頸、赤目、紫紺色。

又觀名。『前漢・宣帝紀』行幸萯陽宮屬玉觀。《註》晉灼曰、屬玉、水鳥、以名觀也。

又蚌名。『爾雅・釋魚・蜃小者珧註』珧、玉珧、卽小蚌。

又姓。『史記・封禪書』濟南人公玉帶。《註》公玉、姓。帶、名。『風俗通』齊濬王臣有公玉冉。

又愛也、成也。『詩・大雅』王欲玉女、是作大諫。《註》玉、寶愛之意。『張載・西銘』貧賤憂戚、庸玉女于成也。

又『廣韻』息逐切。『集韻』息六切、𠀤音肅。『廣韻』朽玉。又琢玉工。『集韻』或作𤥔

又姓。『史記・封禪書公玉帶註』索隱曰、玉又音肅。『後漢・光武紀』𨻰留太守玉况爲大司徒。《註》玉、音肅、京兆人。

又『廣韻』相玉切『集韻』須玉切、𠀤音粟。西戎國名。亦姓。

又『五音集韻』許救切、音齅。篆玉工也。

又『韻補』叶音域。『漢費鳳𥓓』體履柔和、溫其如玉、修孝友于閨門、執忠謇于王室。『易林』鈆刀攻玉、堅不可得。盡我筋力、胝繭爲疾。

又叶音龠。『易林』桑華腐蠹、衣敝如絡。女工不成、絲帛爲玉。

又叶音迂。『洞玄頌』韞產寶玉、叶含耀明珠。

『說文』王象三王之連、丨其貫也。《註》徐曰、王中畫近上、王三畫均。李陽冰曰、三畫正均、如貫王也。『類篇』隸始加點、以別帝王字。『六書精蘊』帝王之王、一貫三爲義。三者、天、地、人也。中畫近上、王者法天也。珠王之王、三畫相均、象連貫形。俗書不知帝王字中畫近上之義、加點于旁以別之。

第十七項乃至第二十項は、同形異字の説明。あるいはに作る。シュク(『廣韻』息逐切、音肅)と讀み、𤥔、珟、璛に作る。またショク(『廣韻』相玉切、音粟)と讀む。またキウ(『五音集韻』許救切、音齅)と讀み、に作る。

部・劃數
玉部二劃

『玉篇』古文字。註詳部首。

音訓

ギョク(漢) 〈『廣韻・入聲・燭・玉』魚欲切〉
たま

解字

白川

象形。玉を紐で貫いた形に象る。佩玉の類をいふ。

説文解字の説く仁義智勇絜の五德は、『荀子・法行』『管子・水地』に見える。

玉は魂振りとして見に佩びるほか、呪具として用ゐられたもので、殷武丁妃とされる婦好墓からは、多くの精巧な玉器が發見されてゐる。

舊字は王(の形)。王は完全な玉。

玉は段注本(字條)に朽玉なり。玉に从うて點有り。讀みて畜牧の畜の若くす。とあり、きずのある玉をいふ。『詩・大雅・民勞王欲玉女(王、女を玉にせんと欲す)の玉は恐らくその畜の音でよみ、「よみす」の意に解すべきであらう。(補註: 本節は玊字の解説と見るべきであらう。)

藤堂

象形。細長い大理石の彫刻を描いたもので、硬くて質の充實した寶石のこと。三つの玉石を繫いだ姿と見てもよい。

落合

玉飾りを紐で繫げたものの象形。短線が玉を表す。玉とは貴石の總稱で、新石器時代から貴重品として交易されてゐた。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 貴石の總稱。甲骨文では供物として用ゐる例が多い。《殷墟花園莊東地甲骨》427戊寅卜、翌己巳、其見玉于上甲、泳。用。
  2. 祭祀名。玉を用ゐた儀禮であらう。《合集》14735甲申卜爭貞、燎于王亥、其玉。
  3. 地名。《合集》7053壬寅…㱿貞…征玉。
玉聯
玉飾りを紐で連ねたもの。《合集》32721丁卯貞、王其爯玉聯…燎三[⿱冖羊]、卯三大牢于…。
帝五玉臣
神話上の帝の臣下であらう。
爯玉
紐で玉飾りを作ること。

漢字多功能字庫

甲骨文は絲で通して繫いだ玉片の形に象る。本義は玉石。王國維は、古制では五顆一繫ぎを玉、兩繫ぎを玨となすとする。甲骨文の三横劃の形は、象徵的な筆畫である。字は或は縱劃の上下末端を省く。卜辭では本義に用ゐ、祭品を表す。

金文はに從ひ三横劃を貫く。三劃は均等で、楷書の王のやうな形。小篆も同じ形。本義に用ゐ、玉石を表す。

戰國文字にと區別するため二斜筆や點を區別符號として加へるものがあり(補註: 二斜筆を加へるものは即ち古文の形)、後の隸書、楷書の字形のもととなつた。

古書では本義に用ゐる。

玉はまた美好、珍貴なるものを表す。清・俞樾『群經平議・爾雅』古人之詞、凡所甚美者、則以玉言之。『尚書』之「玉食」、『禮記』之「玉女」、『儀禮』之「玉飾」皆是也。

きらきら明るく白いことを形容する。

またきらきら明るく白い物を比喩する。

敬語に用ゐ、他人の身體を尊稱するために用ゐる。

屬性

U+7389
JIS: 1-22-44
當用漢字・常用漢字
𤣪
U+248EA

関聯字

玉に從ふ字

説文解字・玉部のほか、以下の字など。

玉聲の字