古 - 漢字私註

説文解字

古
故也。从。識前言者也。凡古之屬皆从古。
古部
𠖠
古文古。

康煕字典

部・劃數
口部二劃
古文
𠖠
𡇣

『唐韻』『集韻』公戸切『韻會』果五切『正韻』公土切、𠀤音鼓。『爾雅・釋詁』古、故也。『說文』从十、口。識前言者也。『徐鉉曰』十口所傳、是前言也。『玉篇』久也、始也。『書・堯典』曰若稽古帝堯。『詩・邶風』逝不古處。『前漢・藝文志』世歷三古。『孟康曰』伏羲上古、文王中古、孔子下古。

又『禮・祭義』以祀天地、山川、社稷、先古。《註》先古、謂先祖也。

又『周禮・冬官考工記』輪已庳、則於馬終古登阤也。《註》終古、猶言常也。

又賁古、縣名。『前漢・地理志』益州郡賁古縣。

又姓。『廣韻』周太王從邠適岐、稱古公、其後氏焉。漢有古初、蜀志有廣漢功曹古牧、北魏有古弼。

又草名。『爾雅・釋草』紅蘢古。《註》俗呼紅草爲蘢鼓、語轉耳。

又『集韻』古暮切、音顧。亦作、義同。『劉向・九歎』興離騷之微文兮、兾靈修之壹悟。還余車于南郢兮、復姓軌于初古。

又『字彙補』溪姑切、音枯。古成氏、複姓。漢廣漢太守古成雲。後秦古成詵、以文章參樞密。

部・劃數
冖部十四劃

『正字通』古文字。註詳口部二畫。

部・劃數
囗部七劃

『字彙補』古文字。註詳口部二畫。

音訓

コ(漢) 〈『廣韻・上聲・姥・古』公户切〉
いにしへ。ふるい。

解字

白川

(たて)との會意。口は祝詞などを收める器の形。その器を、聖器としての干で固く守護し、久しくその祈りを機能させようとした。それで先例舊慣の意となり、久古の意となる。

説文解字に字を十口の會意とし、故なり。〜前言を識る者なり。といふ。『繫傳』には多くの人による傳承の意に解するが、古事をいふ。

古にを加へて、その呪能を害することをといひ、事故、災厄を意味する。

卜辭に「王の舌をめるは、こと(ゆゑ)るか」と古を故の意に用ゐ、また金文に「古(故)に」のやうにいふ例がある。故の形義を以て言へば、古が固閉された祝告、盟誓の意であることは疑ひがない。説文解字に錄する古文の字形は、廟中におけるその儀禮を示すものであらうと思はれる。

藤堂

象形。は頭、その上は冠か髮飾りで、祀つてある祖先の頭蓋骨を描いたもの。克(重い頭を支へる)字の上部と同じ。干からびて固い昔の物を意味する。

落合

會意。甲骨文は楯の象形である毌を器物の上に置いた形。毌についてはに近い略體が主に用ゐられてゐる。

甲骨文には「ふるい」の意での用例がなく、原義は明らかでない。

甲骨文では地名またはその長を表す。第一期(武丁代)には貞人としても見える。殷金文の圖象記號にも類似形がある。《合集》945古來馬。

金文で毌が(十)に變へられ、現用字の十の部分に當たる。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は盾とに從ふ。固の初文で、本義は堅固なること(丁山)。古は堅固の固の古字である。上部は盾を象り、盾は堅強(強固、強靱)といふ特徵を有し、古人は盾に區別する意符の口を加へて古字を造り、堅固の固を表す(裘錫圭)。

後期金文で徐々に線條化され、上部が十の形に變化し、小篆のもととなる。

甲骨文では貞人名、地名に用ゐる。

金文での用義は次のとほり。

屬性

U+53E4
JIS: 1-24-37
當用漢字・常用漢字
𠖠
U+205A0
𡇣
U+211E3

関聯字

古に從ふ字

古聲の字