抵 - 漢字私註

説文解字

抵
擠也。从聲。
十二手部

康煕字典

部・劃數
手部五劃
古文
𠥯

『唐韻』都禮切『集韻』『韻會』『正韻』典禮切、𠀤音邸。『說文』擠也。

又觸也。『前漢・禮樂志』習俗薄惡、民人抵冒。《註》抵、忤也、冒犯也。

又當也。『史記・高祖紀』傷人及盜抵罪。《註》謂使各當其罪。『前漢・武帝紀』元封三年、作角抵戲。《註》兩兩相當、角力角技藝射御、故名角抵。又與觝通。『張騫傳』又作角氐。

又至也。『前漢・杜延年傳』或抵其罪法。《註》特致之於罪法。又『禮・樂志』草木零落、抵冬降霜。

又歸也。『前漢・項籍傳』抵櫟陽史司馬欣。《註》相歸抵也。亦通作邸。

又拒也。『前漢・梁平王傳』抵讕置辭。又『田延年傳』延年抵曰、無有是事。《註》抵、拒諱也。

又擲也。『後漢・禰衡傳』劉表嘗與諸文人共草章奏、衡見之、毀以抵地。

又大抵、猶言大凡。『史記・酷吏傳』大抵盡詆以不道。『漢書』作大氐。《註》大歸也。

又『集韻』或作

又直皆切、音㜨。亦擠也。

又『韻會』掌氏切『正韻』諸氏切、𠀤音紙。同扺。擊也。『戰國策』蘇秦見說趙王於華屋之下、抵掌而談。『前漢・朱博傳』奮髥抵几。詳扺字註。

部・劃數
匸部四劃

『字彙補』古文字。註見手部五畫。見『秦・詛楚文』。

部・劃數
手部八劃

『集韻』典禮切、音邸。同

又丁計切、音帝。擿也。

音訓

(1) テイ(漢) 〈『廣韻・上聲・薺・邸』都禮切〉
(2) シ(漢、呉) 〈『韻會』掌氏切『正韻』諸氏切、𠀤音紙〉
(1) おす。こばむ。さからふ。あてる。あてる。ふれる。いたる。
(2) うつ

(2)の音義は扺に當てたもの。

解字

白川

形聲。聲符は。氐は、曲刀で底邊を削り、平らかにする意。

説文解字にすなり、また『廣雅・釋詁三』に推すなりとあり、抵抗し、またその抵抗を排する意がある。力を加へて、他にあたることをいふ。

藤堂

と音符の形聲。間隙なく屆いて、拔き差しならないこと。氐は意味には關係がない。

漢字多功能字庫

に從ひ聲。本義は排擠(押しのけ、陷れること)。『大戴禮記・夏小正』昆小蟲抵蚳。顧風藻集解謂以手擠排之。

また抵賴(言ひ逃れをし、否認すること)、謊騙(詐り騙すこと)を表す。『漢書・酷吏傳・田延年』丞相議奏延年「主守盜三千萬、不道」……延年抵曰「本出將軍之門、蒙此爵位、無有是事。」顏師古注抵、拒諱也。

また抵擋(防ぎ止める、抵抗すること)、抗拒(反抗、拒絶)を表す。唐・柳宗元〈送表弟呂讓將仕進序〉吾觀古豪賢士、能知生人艱饑羸寒、蒙難抵暴。

また抵消(相殺、帳消しにすること)、抵償(償ふこと)を表す。宋・晏殊〈清平樂・春花秋草〉總把千山眉黛掃、未抵別愁多少。

また抵當を表す。清・梁紹壬〈兩般秋雨盦隨筆・賒抵摺〉以物質物曰抵。

また價すること、相當することを表す。唐・杜甫〈春望〉烽火連三月、家書抵萬金。

また、接觸すること、法に觸れ犯すことを指す。『山海經・海外北經』相柳之所抵、厥為澤谿。郭璞注抵、觸。

また、至ること、到達することを表す。『史記・蒙恬列傳』始皇欲游天下、道九原、直抵甘泉。

また、歸依、賴ること、從屬することを表す。『漢書・尹翁歸傳』曉告以姦黠主名、教使用類推跡盜賊所過抵。顏師古注抵、歸也。所經過及所歸投也。

屬性

U+62B5
JIS: 1-36-81
當用漢字・常用漢字
𠥯
U+2096F
U+638B