死 - 漢字私註

説文解字

死
澌也、人所離也。从。凡死之屬皆从死。
死部
𠒁
古文死如此。

説文解字注

死
澌也。《水部》曰、澌、水索也。『方言〔十三〕』澌、索也。『〔同・三〕』盡也。是澌爲凡盡之偁。人盡曰死。死澌異部曡韵。人所離也。形體與䰟魄相離。故其字從歺人。从𣦵人。息姊切。十五部。凡死之屬皆从死。
𠒁
古文死如此。從古文𣦵、古文人。

康煕字典

部・劃數
歹部二劃
古文
𠑾
𣥴

『廣韻』息姊切『集韻』『韻會』『正韻』想姊切、𠀤斯上聲。『白虎通』死之言澌、精氣窮也。『釋名』死者、澌也、若冰釋澌然盡也。『莊子・知北遊』人之生、氣之聚也。聚則爲生、散則爲死。『關尹子・四符篇』生死者、一氣聚散耳。『禮・曲禮』庶人曰死。『禮・檀弓』君子曰終、小人曰死。又『周禮・天官・疾醫註』少曰死、老曰終。

又『山海經』有不死國、在南海大荒中。『郭璞贊』赤泉駐年、神木養命。稟此遐齡、悠悠無竟。

又圓丘山有不死樹。『郭璞贊』萬物暫見、人生如寄。不死之樹、壽蔽天地。

又『山海經』流沙之東、黑水之閒、有不死山。又『劉孟會云』祖州海島產不死草、一株可活一人。

又姓。自、死、獨、膊、代北四姓也。見『氏族略』。

又叶息利切、音四。『宋玉・九辯』願徼𡴘而有待兮、泊莽莽與埜艸同死。叶上至。

『說文』从人作𣦸。

部・劃數
儿部五劃

『玉篇』古文字。註見歹部二畫。

部・劃數
止部七劃

『集韻』古作𣥴。註詳歹部二畫。

部・劃數
歹部二劃

部・劃數
歹部二劃

𣦸

又『篇海』居月切、音厥。短也。○按此說無據、不可從。

異體字

或體。

音訓

シ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲』息𡛷切〉[sǐ]{sei2/si2}
しぬ。つきる。かれる(枯死)。ころす。ほろぶ。

解字

白川

𣦵の會意。𣦵は人の殘骨の象。人はその殘骨を拜し弔ふ人。

『説文解字』にくるなり。人の離るる所なりとし、死澌、死離の疊韻の字を以て解する。

死の字形からいへば、一度風化して後、その殘骨を收めて葬るのであらう。葬は草間に死を加へた字で、その殘骨を收めて弔喪することを葬といふ。いはゆる複葬である。

死の音は、尸陳(連ねる)の意であらう。またと通じ、漢碑に死、此の下に在りと見える。金文に主司することを「死𤔲」といふのは、恐らく尸主の意に用ゐたものであらう。

藤堂

(骨の断片)との會意で、人が死んで、骨きれに分解することを表す。

落合

甲骨文は井中にの會意字([⿴井人])。井は人爲的に掘られた穴で、ここでは墓穴を表す。墓穴に人が入ることから、死を意味する。

異體字にに從ふもの、出血を表す小點を加へたもの、病牀を表すを加へたものなどがある。また少數だが死者の骨を表すとそれを悼む人に從ふ異體字もあり、現用字はこれを承ける。

[⿴井人]について、字形の類似から囚の異體とする説などもあるが、甲骨文では[⿴井人]と死に字義上の明確な區別が見られない。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 死ぬ。死亡する。《合補》6603甲寅卜王貞、婦[⿰女沚]子不死。一月。
死黽
吉凶語。凶の意。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、(𣦵)とあるいは跪坐する人の形に從ふ。歺は肉を除き去り殘つた骨に象ると推測され、生者が低頭跪坐して朽ちた骨の傍らで哀悼するさまを表し、本義は死亡(羅振玉、劉興隆)。一説に、人と歺を合はせて、人の死後身體が腐り、白骨を殘すの意、といふ(加藤常賢)。楊樹達、馬敍倫、高鴻縉は、死は屍體のの本字であるとする。

甲骨文では本義に用ゐ、死亡を表す。《合集》22049貞、不死。

金文での用義は次のとほり。

戰國竹簡では讀んで屍となし、屍體を表す。《睡虎地秦簡・封診式》簡56男子死(屍)在某里南首

屬性

U+6B7B
JIS: 1-27-64
當用漢字・常用漢字
𠑾
U+2047E
𣥴
U+23974
𣦸
U+239B8
𣦹
U+239B9
𠒁
U+20481

関聯字

死に從ふ字を漢字私註部別一覽・歹部・死枝に蒐める。