弓 - 漢字私註

説文解字

以近窮遠。象形。古者揮作弓。『周禮〔夏官〕六弓』「王弓、弧弓、以射甲革甚質。夾弓、庾弓、以射干矦鳥獸。唐弓、大弓、以授學射者。」凡弓之屬皆从弓。
十二弓部

康煕字典

部・劃數
部首

『唐韻』居戎切『集韻』『韻會』居雄切『正韻』居中切、𠀤音宮。『說文』弓、以近窮遠。象形。『釋名』弓、穹也。張之穹穹然也。『山海經』少皡生般、是始爲弓。『荀子・解蔽篇』倕作弓、浮游作矢、而羿精於射。『周禮・冬官考工記』弓人爲弓、取六材、必以其時。六材旣聚、巧者和之。幹也者以爲遠也、角也者以爲疾也、筋也者以爲深也、膠也者以爲和也、絲也者以爲固也、漆也者以爲受霜露也。

又車蓋橑。『周禮・冬官考工記・輪人』弓鑿廣四枚。《註》弓、蓋橑也。《疏》漢世名弓蓋爲橑子也。

又射侯之數。『儀禮・鄕射禮』侯道五十弓。《疏》六尺爲步、弓之古制六尺、與步相應、而云弓者、侯之所取數、宜於射器也。『周禮・天官・司裘註』凡侯道、虎九十弓、熊七十弓、豹麋五十弓。

又量地之數。『度地論』二尺爲一肘、四肘爲一弓、三百弓爲一里。三百六十步爲一里、卽三百弓也。『西域記』鼓小者聞五百弓。《註》五百弓、二里半也。

又縣名。『前漢・地理志』河閒國有弓高縣。『史記・韓王信傳』漢封頹當爲弓高侯。

又水名。『史記・霍去病傳』濟弓閭。

又姓。『廣韻』魯大夫叔弓之後。『韻會』漢有光祿勳弓祉。

又與通。『公羊傳・昭三十一年』黑弓以濫來奔。《註》黑弓、二傳作黑肱。

又與穹通。『史記・天官書』穹閭。《註》索隱曰、一作弓閭。弓音穹、蓋謂以氊爲閭、崇穹然。

音訓

キュウ
ゆみ

解字

白川

象形。弓體の形に象る。

説文解字に弓、窮の音の通ずることを以て説く。

釋名・釋兵』に弓、穹也、張之穹隆然也。(弓、穹なり。之れを張ること、弓隆(ドーム形)然たり。)と、その形を以て説く。

音よりいへば、躬、弘などとの關係が考へられる。

藤堂

象形。弓の形を描いたもの。曲線をなす意を含む。

落合

弓の象形。甲骨文は左側が弓柄、右側が弦。その略體に左右反轉形で弦を省いた形があり、これが現用字の元になつてゐる。

甲骨文の要素としては、弓や射擊に關係する字に使はれることが多い。略體は尸に形が近く、字源未詳の字の一部には尸に從ふ字が含まれるかも知れない。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 人名。第一期(武丁代)。殷金文の圖象記號にも見える。《合集》151貞、弓芻于[⿰毌毌]。
  2. 祭祀名。
    • 《殷墟花園莊東地甲骨》37乙巳卜、在[鹿品]、子遲彝弓出日。
    • 《合集》20117壬辰卜扶、圃勿弓。

漢字多功能字庫

象形字。甲骨文、早期金文は弦をつけた弓を象り、後にその弦は省略され、説文解字の小篆の字形のもととなつた。本義は矢を射る器。弓が甲骨文の偏旁になるとき、多く弦を省略し、弦を外して弛んだ弓の形を象る。西周金文や説文解字の小篆はこの弦を外した構形を踏襲してゐる。戰國竹簡では弓の下部に往々にして一點あるいは一劃を飾筆に加へてゐる。上博竹簡、包山楚簡の字を見るべし。

甲骨文や商末周初の金文では、弓字を主に族氏名や人名に用ゐる。《合集》21659弓歸は弓を人名に用ゐる。

西周金文に至り、弓をまた本義に用ゐる。同卣夨王易(賜)同金車、弓、矢は、夨王が同に青銅の車、弓、矢を賜ふことをいふ。

金文に「彤弓」の語がしばしば見える。宜侯夨𣪕彤弓一、彤矢百。『書・文侯之命』、『左傳・僖公廿八年』に同じ文章が見える。彤弓は朱漆の弓を指し、古代の天子が功のある諸侯や大臣に賜ひ、彼等を征伐に專心させた。

屬性

U+5F13
JIS: 1-21-61
當用漢字・常用漢字

関聯字

弓に從ふ字

説文解字・弓部のほか、以下の字など。

弓聲の字