六 - 漢字私註

説文解字

『易』之數、陰變於六、正於八。从。凡六之屬皆从六。
十四六部

康煕字典

部・劃數
八部二劃

『唐韻』『集韻』『韻會』力竹切『正韻』盧谷切、𠀤音陸。『說文』易之數、隂變于六、正于八。『玉篇』數也。『增韻』三兩爲六、老隂數也。

又國名。『左傳・文五年』楚人滅六。『史記・黥布傳』布者、六人也。《註》索隱曰、地理志、廬江有六縣。蘇林曰、今爲六安也。

又叶錄直切、音近力。『前漢・西域敘傳』總統城郭、三十有六。修奉朝貢、各以其職。

音訓

ロク(呉) リク(漢)
むつ。むたび。

解字

甲骨文はに近い形。

6の義は假借。

白川

象形。小さな幕舍の形を象る。はその形に從ひ、陸は神の陟降する前にその幕舍を作り、これを迎へる意。

その音を假借して數の六に用ゐる。

説文解字に易の數理によつて説くが、卜文、金文の字形は幕舍の象。篆文の字形は戰國期末の竹簡に見えるが、字の初形ではない。

藤堂

象形。覆ひをした穴を描いたもの。

數詞の六に當てたのは假借。

一説に高い土盛りの形で、(高い丘)の異體字ともいふ。

落合

甲骨文は家屋の象形、特に屋根の部分を強調して示してゐる。

甲骨文では專ら假借の用法で數字として用ゐられてゐる。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. むつつ。《殷墟花園莊東地甲骨》451庚午、歳妣庚黑牡又六羊、子祝。
  2. 六番目。《合集補編》496貞、于來乙酉、酒。六月。
六元示
殷初の祖先神である上甲、匚乙、匚丙、匚丁、示壬、示癸の六柱を指す。上甲六示や六示とも言ふ。《合集》14829甲子卜爭貞、來乙亥、告[⿳匕凶十]其西于六元示。
六大示
恐らく大乙から中丁の直系王を指す。《屯南》1138甲午貞、大禦自上甲六大示、燎六小[⿱冖羊]、卯九牛。

漢字多功能字庫

早期の甲骨文、金文では六とは同じ形で、兩者は古く一字であつたと疑はれる。後に假借して數詞となし、故に拂ひを二筆加へて分化した(參・郭沫若、李孝定、丁山)。一説に、六は小屋の形を象り、廬の本字で、後に假借して數詞としたといふ(劉興隆)。裘錫圭は、原始社會で數を記すのに用ゐられた記號であるとする。

甲骨文での用義は次のとほり。

金文での用義は次のとほり。

戰國文字では數詞に用ゐる。

屬性

U+516D
JIS: 1-47-27
當用漢字・常用漢字

関聯字

大字。

六に從ふ字

六聲の字