止 - 漢字私註

説文解字

止
下基也。象艸木出有址、故以止爲足。凡止之屬皆从止。
止部

康煕字典

部・劃數
部首

『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤諸市切、音芷。『說文』下基也。象艸木出有址、故以止爲足。『徐曰』初生根幹也。

又『廣韻』停也、足也。『易・艮卦』艮、止也。時止則止、時行則行。『老子・道德經』知足不辱、知止不殆。

又靜也。『禮・玉藻』口容止。《註》不妄動也。『莊子・德充符』人莫鑒於流水、而鑒於止水、唯止能止衆止。

又已也、息也。『論語』止吾止也。『史記・酷吏傳』寇盜不爲衰止。

又居也。『詩・大雅』乃慰乃止。

又『商頌』邦畿千里、惟民所止。

又心之所安爲止。『書・益稷』安汝止。『孔傳』言當先安好惡所止。『正義』曰、止謂心之所止。『大學』云、爲人君止於仁、爲人臣止於敬、好惡所止、謂此類也。又朱子曰、止者、必至於是而不遷之謂。

又留也。『論語』止子路宿。『孟子』可以止而止。

又行師營曰止、暫待曰次。又凡戰而被獲曰止。『左傳・隱十一年』公與鄭人戰於狐壤、止焉。『杜註』內諱獲、故言止。又『僖十五年』輅秦伯將止之。

又容止。『詩・鄘風』人而無止。《箋》止、容止。無止則無禮節也。『孝經・聖治章』容止可觀。

又舉止。『齊書・張欣泰傳』欣泰著鹿皮冠衲衣。世祖曰、將家兒何敢作此舉止。

又俗謂德行曰行止。『外史檮杌』鄭奕敎子『文選』。其兄曰:莫學沈、謝嘲風弄月、汙人行止。

又樂器。『爾雅・釋樂』所以鼓柷謂之止。《註》止者、其椎名也。『書・益稷』合止柷敔。『鄭註』柷、狀如漆桶、中有椎、合之者、投椎於其中而撞之。

又鳥集亦曰止。『詩・小雅』載飛載止。

又三止、三禮也。『班固・幽通賦』嬴取威於百儀兮、姜本支乎三止。《註》謂齊之先伯夷典三禮也。

又語辭。『詩・周頌』百室盈止、婦子寧止。

又首止、衞地名。在陳留襄邑。『春秋・僖五年』齊侯會王世子于首止。

又與同。『儀禮・士昏禮』皆有枕北止。『鄭註』止、足也。古文止作趾。『山海經』韓流麟身、渠股豚止。『郭註』止、足也。『前漢・郊祀歌』獲白麟、爰五止。『師古註』止、足也。時白麟足有五蹄。

音訓

シ(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・止・止』諸市切〉[zhǐ]{zi2}
とどめる。とめる。とどまる。とまる。やめる。ただ。

解字

白川

象形。あしあとの形を象る。の上半。もとと同形。

『説文解字』は、止、之をともに草木初生の象と解するが、いづれも趾あとの形。

禮記・曲禮上』に何くにかあしせんかと問ふとは、寢臥のとき、趾を向ける方向を問ふ意。また強く趾あとを印するのは、そこに止まる意。

副詞の「ただ」や終助詞に用ゐるのは、假借の用法。

藤堂

象形。足の形を描いたもので、足がじつとひと所にとまることを示す。の原字。

落合

足(足首)の象形。五指が三指に簡略化されてゐる。步行を象徵し、甲骨文の要素としては、足に關係する字のほか、進行に關する字にも使はれる。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. あし。足首。この場合には繁文のとして釋される。《東京大學東洋文化研究所藏甲骨文字・圖版篇》427貞、疾趾、惟有[⿱𫝀它]。
  2. ゆく。前に進むこと。目的地に行くこと。また、復止は戻ること。《合集》5618辛卯卜貞、令周從永止。八月。
  3. この。連體修飾の助辭。の略體。

後代には反對の「やめる」「とまる」の意味で用ゐられるやうになつた。

現用の字形では、上向きは止の形、下向きはの形になることが多い。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、人の足の裏を象る。今通用してゐる止字は隸變の結果である。隸變以前の古文字には、左右、上向き下向きの別があり、止(上向き左足)、𣥂(上向き右足)、(下向き右足)、㐄(下向き左足)の四つの形があり、他にも變形がある。

止はの初文で、片方の足の裏全體を指し、甚だしきに至つては移動してゐる人身をすべて指す。後に假借して停止や制止の止となす。

甲骨文での用義は次のとほり。

金文では人名に用ゐる。五年琱生簋(舊稱五年召伯虎𣪕)余老、止公僕墉(庸)土田多𧧒。は、我は既に老い、止公の有する田や人は何度も司法方面の調査に遭つた、の意(林澐)。

屬性

U+6B62
JIS: 1-27-63
當用漢字・常用漢字

関聯字

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止に從ふ字

説文解字・止部』のほか、以下の字など。

止聲の字