白 - 漢字私註

説文解字

白
西方色也。陰用事、物色白。从。二、陰數。凡白之屬皆从白。
白部
𦣺
古文白。

康煕字典

部・劃數
部首
古文
𦣺
𤼽

『唐韻』旁陌切『集韻』『韻會』『正韻』薄陌切、𠀤音帛。『說文』西方色也。隂用事、物色白。从入合二、二隂數也。『釋名』啓也。如水啓時色也。『爾雅・釋天』秋爲白藏。《疏》秋之氣和、則色白而收藏也。『周禮・冬官考工記』書繪之事、西方謂之白。『書・禹貢』冀州、厥土惟白壤。靑州、厥土白墳。又『禮・檀弓』殷人尚白。

又『增韻』素也。潔也。『易・賁卦』白賁无咎。《註》其質素、不勞文飾也。又『說卦』巽爲白。《疏》風吹去塵、故潔白也。

又明也。『禮・曾子問』當室之白。《註》謂西北隅得戸明者也。『荀子・正名篇』說不行、則白道而冥窮。《註》白道、謂明道也。『前漢・谷永傳』反除白罪。《註》罪之明白者、皆反而除之。

又白屋、以茅覆屋也。『前漢・蕭望之傳』恐非周公相成王致白屋之意。

又白衣、給官府趨走者。『前漢・兩龔傳』聞之白衣、戒君勿言也。

又白徒、猶白身。『管子・乘馬篇』白徒三十人奉車兩。

又白丁。『北史・李敏傳』周宣帝謂樂平公主曰、敏何官。對曰、一白丁耳。

又白民。『魏書・食貨志』莊帝班入粟之制、白民輸五百石、聽依第出身。

又白著。『唐書・劉晏傳』稅外橫取謂之白著。『春明退朝錄』世人謂酒酣爲白著。言刻薄之後人必顚沛、酩酊如飲者之著也。

又『禮・玉藻』君衣狐白裘。『𨻰註』以狐之白毛皮爲裘也。

又『爾雅・釋器』白金謂之銀。

又『唐書・食貨志』隋末行五銖白錢。

又『前漢・𠛬法志』罪人爲白粲。《註》坐擇米使正白、三歲𠛬也。

又『古今注』白筆、古珥筆、示君子有文武之備焉。

又『字學淵源』飛白書、蔡邕見施堊帚而作。

又星名。『博雅』太白謂之長庚。

又旗名。『禮・明堂位』殷之大白。

又罰爵名。『說苑』魏文侯與大夫飲、使公乘不仁爲觴政、曰、飲不釂者、浮以大白。

又酒名。『禮・內則』酒淸白。《註》白事酒、昔酒也。色皆白、故以白名之。

又稻曰白、黍曰黑。『周禮・天官・籩人』其實䵄蕡白黑。

又馬名。『詩・秦風』有馬白顚。《疏》額有白毛、今之戴星馬也。

又猛獸名。『汲冢周書』義渠以茲白。《註》茲白、一名駁、能食虎豹。

又蟲名。『爾雅・釋蟲』蟫白魚。《註》衣書中蟲也。又『大戴禮』白鳥者、謂蚊蚋也。

又草名。『前漢・西域傳』鄴善國多白草。

又三白、正月雪也。『西北農諺』要宜麥、見三白。

又五白、簙簺五木也。『宋玉・招魂』成梟而牟、呼五白些。

又梵言一年爲一白。『傳燈錄』我止林閒、已經九白。

又山名。『後漢・耿恭傳』竇固前擊白山、功冠三軍。《註》冬夏有雪、故名白山。『金史・禮志』有司言、長白山在興王之地、禮合尊崇。

又水名。『桑欽水經』白水出朝陽縣西。

又州名。『唐書・地理志』武德四年置白州、因博白溪而名。

又海外有白民國。見『山海經』。

又白狄、狄別名。見『春秋・成九年』。

又戎類有六、一曰老白。見『風俗通』。

又姓。黃帝後。『左傳』秦大夫白乙丙。又複姓。『史記・秦本紀』白冥氏、秦族。『潛夫論』吉白氏、莘姓後。又白楊提、代北三字姓。

又『諡法』外內貞復曰白。

又『玉篇』告語也。『正字通』下告上曰稟白。同輩述事𨻰義亦曰白。『前漢・高帝紀』上令周昌選趙壯士可令將者、白見四人。『後漢・鍾皓傳』鍾瑾常以李膺言白皓。

又『唐書・宦者傳』宣宗時、諸道歲進閹兒、號私白。○按『說文』入聲有白部、去聲自部內亦載白字。在自部內者讀疾二切、曰此亦自字也。省自者、詞言之氣从鼻出、與口相助也。是告語之白讀自、西方之白讀帛、音義各別。許氏分爲二部。『玉篇』合而爲一、今从之。

又『集韻』步化切、音杷。亦西方色也。

又博陌切。與伯同。長也。一曰爵名。亦姓。『印藪』有白鸞氏。《註》卽伯字。

又叶旁各切、音薄。『詩・小雅』裳裳者華、或黃或白。我覯之子、乘其四駱。

又叶房密切、音弼。『蘇軾・寒食雨詩』暗中偸負去、夜半眞有力。何殊病少年、病起頭已白。

部・劃數
自部(一劃)

『集韻』、古作𦣺。註詳部首。

部・劃數
白部(一劃)

『字彙補』古文字。註詳部首。

音訓

ハク(漢) ビャク(呉) 〈『廣韻・入聲・陌・白』傍陌切〉
しろい。あきらか(明白)。まをす(告白、敬白)。

解字

白川

象形。頭顱の形を象る。その白骨化したもの、されかうべ。雨露に曝されて白くなるので、白色の意となる。偉大な指導者や強敵の首は、髑髏として保管された。霸者を示すはもとにつくり、雨に曝された獸皮の意。白、と通用する。

説文解字は五行説によつて説くが、字はを合はせた形ではない。

郭沫若は拇指の爪の部分で、親指で霸者を示したとするが、俗説とすべく、白に從ふ㰾、敫、徼、竅、檄、邀は全て祭梟(首祭)の俗に關する字。殷の甲骨文に、頭骨に朱刻を加へたものがあり、異族の伯の名を記してゐる。後には酒杯や便器に、その頭顱を用ゐることがあつた。

藤堂

象形。團栗狀の實を描いたもので、下の部分は實の臺座、上半はその實。柏科の木の實の白い中身を示す。柏の原字。

落合

字源について、親指の象形、團栗の象形、頭蓋骨の象形など諸説あるが、甲骨文では會意字を含めても原義での確實な用例が見られず、字源を確定するに足る資料がない。

親指や髑髏の意の用例はなく、根據は薄弱。古代支那に指導者の頭骨を保存した例は確認されず、寧ろ頭部の切斷は祭祀犧牲に見られる。

柏、樂が白に從ふことから團栗とする説には一定の合理が認められるが、兩字が白に從ふ意義が實の形か否か、確定できない。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. しろい。白色。《合集補編》11291・後半驗辭壬申卜貞、王田[叀口]往來亡災。獲白鹿一狐二。
  2. 首長。領主。敵味方に關はらず使はれる。繁文は。地名を附して「某伯」「伯某」とする用法もある。
    • 《殷墟花園莊東地甲骨》449辛未卜、丁弗其從伯馘伐昭。
    • 《合集》28086壬戌卜、王其尋二方伯。
  3. 地名。《合集補編》12738癸未卜在白貞、王旬亡禍。
  4. 神名。詳細不明。《合集》16475戊申卜、白降禍。
方伯
敵對勢力の首長。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、拇指(親指)の形を象り(郭沫若)、假借して白色の白となす。拇指は手指の首で、古文字の白が伯仲の、兄弟の排行(順番)の第一、年の最も長けた者を表す所以である。これより派生して地位の高く權力を掌る者を、侯伯の如く、伯と呼ぶ。

甲骨文での用義は次のとほり。

金文での用義は次のとほり。

戰國竹簡での用義は次のとほり。

馬王堆竹簡でも白色を表す。《馬王堆・合陰陽》簡132:「鼻汗脣白」は、鼻から汗が出て、唇が白くなる、の意。

高鴻縉、陳世輝、趙誠、姚孝遂は、白は人面あるいは人頭の形を象り、後にその下にを意符に加へ、これが皃の初文で、戰國秦文字でまた豸を加へて貌となつたとする。古文字の白は讀んで伯となし、首領、首腦、元首を表し、これは人頭の義から派生したものといふ。姚孝遂は更に人の頭骨に刻む辭はみな白字を書くのが證であるといふ。

屬性

U+767D
JIS: 1-39-82
當用漢字・常用漢字
𦣺
U+268FA
𤼽
U+24F3D

関聯字

白に從ふ字

説文解字・白部のほか、皣など。

白聲の字