土 - 漢字私註

説文解字

土
地之吐生物者也。象地之下、地之中、物出形也。凡土之屬皆从土。
十三土部

説文解字注

土
地之吐生萬物者也。𠄞象地之上、地之中。、物出形也。凡土之屬皆从土。

康煕字典

部・劃數
部首

『正韻』他魯切『集韻』『韻會』統五切、𠀤吐上聲。五行之一。『說文』地之吐生物者也。二象地之下、地之中、土物出形也。『易・離彖傳』百穀草木麗乎土。『書・禹貢』冀州厥土惟白壤、兗州厥土黑墳、靑州厥土白墳、徐州厥土赤埴墳、揚州荆州厥土惟塗泥、豫州厥土惟壤下土墳壚、梁州厥土靑黎、雍州厥土惟黃壤。

又『書・禹貢』徐州厥貢惟土五色。《註》諸侯受命、各錫以方色土、建大社于國中、一曰冢土。『詩・大雅』乃立冢土。

又后土、取厚載之義。共工氏子句龍爲后土、位在中央、主於四季各十八日。『禮・月令』中央土、其日戊己、其帝黃帝、其神后土。『周禮・冬官考工記』土以黃、其象方。

又星土、星所主土。『周禮・春官』保章氏以星土辨九州之地。

又度也。土圭之土訓度。詳圭字註。

又業也。『皇極經世』獨夫以百畝爲土、大夫以百里爲土、諸侯以四境爲土、天子以九州爲土、仲尼以萬世爲土。

又星名、一曰鎮星。『漢書』作塡。詳塡字註。

又地名。『春秋・僖二十八年』公會晉侯、齊侯、宋公、蔡侯、鄭伯、衞子、莒子、盟于踐土。《註》鄭地。

又姓。句龍爲后土、子孫爲氏。

又『廣韻』『正韻』徒古切『集韻』『韻會』動五切、𠀤音杜。『揚子・方言』東齊謂根曰土、非專指桑根白皮。《郭璞註》【方言】引【詩】作桑土、非。

又『集韻』『韻會』『正韻』𠀤董五切、音覩。圜土、獄城也。『周禮・秋官』以圜土聚敎罷民。

又『介之推龍蛇歌』五蛇從之、周流天下。龍反其淵、安其壤土。下音戸、尸土俱在姥韻。『字彙』作叶音、非。

又『集韻』丑下切、音姹。土苴、不眞物。一曰查滓、糞草糟粕之類。

又『字彙補』同都切、音徒。土門、北方之族。門音瞞。見周書異域傳。

音訓

ド(慣) ト(漢) ツ(呉) 〈『廣韻・上聲・姥・土』他魯切〉
つち。ところ。くに。つちのかみ。

解字

白川

象形。土主の形を象る。土を饅頭形に縱長に丸めて臺上に置き、社神とする。卜文にはこれに灌鬯する形のものがあり、社の初文として用ゐる。のち土地一般の意となり、を加へて社となつた。

卜文、金文は土を社の意に用ゐ、社は中山王諸器に至つて見える。古い社の形態は、モンゴルのオボの形態に近く、中山王器の社字には、土の上にを加へてゐる。

説文解字には土をの音を以て説くが、『周禮・考工記・玉人・注』にははかるなりの音を以て説き、『廣雅・釋言』にそそぐなりシャの音を以て説く。

土は社神のあるところ、地も古くは墜につくり、神梯(𨸏)の前に犧牲を置き、社神を祀るところであつた。土地一般をいふのは後起の義である。

藤堂

象形。土を盛つた姿を描いたもの。古代人は土に萬物を生み出す充實した力があると認めて土を祀つた。これより土は充實したの意を含む。

また社の原字であり、やがて土地の神や氏神の意となる。

のち、各地の代表的な樹木を形代として土盛りに替へた。

落合

象形。土を盛つた形に象る。土砂の粒を示す小點を加へた異體もある。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 土地。支配下の領域。方角を附して東土や南土などとも呼ばれる。《合集》24429癸卯卜大貞、南土受年。
  2. 大地の神格。地域毎に神格化され、北土や南土などの用法もある。單に土といふ場合は都たる商の周邊と推定されてゐる。土地神の意では後に繁文の社も作られた。《合集補編》10643癸亥卜、侑土、燎羌、一小[冖羊]宜。
  3. 地名。殷に敵對して「土方」と呼ばれた。《合集補編》1879戊辰卜㱿貞、王勿德土方。

字の要素としては土盛りのほか畝の意味にも用ゐる。

略體(丄の形)を牡器の象形として用ゐることもある。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、地上に盛り上げた土塊の形を象る(許進雄、李孝定、徐中舒)。小點は土粒を象る。本義は盛土。土地の意を派生する。一説に土地を祀る神主(位牌)を象り、後の社。古く土を盛り石を立てて土地を祀る神主とした(彭裕商、戴家祥、張世超)。小點は地主に對して行ふ灌の禮を象る(白川静)。

甲骨文、金文での用語は次のとほり。

屬性

U+571F
JIS: 1-37-58

関聯字

土に從ふ字

説文解字・土部のほか、以下の字など。

土聲の字