厂 - 漢字私註

説文解字

厂
山石之厓巖、人可居。象形。凡厂之屬皆从厂。
厂部
厈
籒文从

康煕字典

部・劃數
部首

『唐韻』呼旰切『集韻』虛旰切、𠀤音漢。『說文』山石之厓巖、人可居。象形。『集韻』籀作。『六書本義』厂、水厓高者。岸厈同。

又『唐韻』呼旱切『集韻』許旱切、𠀤音䍐。義同。

又『集韻』魚杴切、音嚴。䉷或省作厂。

部・劃數
厂部三劃

『玉篇』籀文字。

音訓

カン(漢、呉) 〈『廣韻・上聲・旱・䍐』呼旱切〉[hǎn]
カン 〈『集韻』虛旰切、音漢、去聲、翰韻〉[hàn]{hon3}
ガン(慣)
がけ。きし。いはほ。

藤堂は上聲旱韻、KO字源は翰韻とする。

解字

白川

象形。山の崖や岸の形を象る。

厓巖を利用して屋根かけした構造のものは广で示すことが多い。

厂形のものにまた人の額部を示すものがある。

藤堂

象形。厂型に切り立つた崖を描いたもの。崖、土などを表す。岸、崖の原字。

落合

甲骨文は石磬の象形での初文。字の要素としても石や石器を表す。その段階では崖の意はない。

異體字に祭器を表すを加へ、石の形につくるものがあり、現用の石字はこれを承ける。

周代に崖の意に轉用された。

漢字多功能字庫

金文の厂に從ふ字はの省略形に從ふといふべし。甲骨文の石字は山石を指し、『説文解字』に山石之厓巖と訓ずる所以なり。また、厂は屋の形の广とは違ふ字だが、兩者は良く似てをり、容易に混淆し、故に金文の偏旁で取り違へるものもある。

厂、厈、岸は古くは一字であつた。厂字本象石岸之形。周秦或加干為聲符作厈、後又或於厈上加山為意符作岸、故厂、厈與岸實為一字。(高鴻縉《中國字例》)

厈は厂と同じで、『説文解字』によれば厂の籀文。は聲符で、厈は厂の後起の形聲字。金文は𢇛につくり、岸の初文に當たり、岸邊を表す。『字彙・厂部』厈、水厓高也。俗作岸。

【補註】 『康煕字典』採錄の𢇛は㡰字の譌、あるいは斥字の譌とされ、別字。

屬性

U+5382
JIS: 1-50-44
U+5388

関聯字

厂に從ふ字

説文解字・厂部』のほか、以下の字など。

厂聲の字

其の他

厂を廠の簡体字として用ゐる。