説文解字私註 雲部

雲部

説文解字
山川气也。从雨、象雲回轉形。凡雲之屬皆从雲。
古文省雨。
亦古文雲。
康煕字典
雨部四劃
『唐韻』『集韻』王分切『韻會』『正韻』于分切、𠀤音云。『說文』山川气也。从雨云、象雲回轉形。『廣韻』河圖曰、雲者、天地之本。『元命包』隂陽聚爲雲。『易・乾卦』雲行雨施。
『詩・大雅』倬彼雲漢。《傳》雲漢、天河也。
『爾雅・釋親』仍孫之子爲雲孫。《註》言輕遠如浮雲。
『周禮・春官・大司樂』舞雲門大卷。《註》周所存六代之樂、黃帝曰雲門大卷。
『史記・黃帝紀』官名、皆以雲命爲雲師。
澤名。『書・禹貢』雲土夢作。又『左傳・定四年』楚子涉睢濟江、入于雲中。『爾雅・釋地』楚有雲夢。《疏》此澤跨江南北、亦得單稱雲、單稱夢。『司馬相如・子虛賦』雲夢者、方九百里。
『拾遺記』蓬萊山、亦名雲來。
郡縣名。『前漢・地理志』琅邪郡雲縣。又雲中郡。
姓。『正字通』縉雲氏之後。唐雲洪嗣。明雲衢、雲岫。
叶于員切。『𨻰琳・馬瑙勒賦』初傷勿用、俟慶雲兮。君子窮達、亦時然兮。
『說文』通作
解字(白川)
聲。初文は云。
解字(藤堂)
雨との會意、云は亦た音符。もやもやと立ち籠めた水蒸氣の意。
解字(落合)
字を「いふ」の意で用ゐるやうになつたため、意符の雨を加へた。
解字(漢字多功能字庫)
字を假借義で用ゐるため、雨を加へて本義を保つた。
當用漢字・常用漢字

説文解字
𩃬 雲覆日也。从聲。
古文或省。
𠆭 亦古文𩃬。
康煕字典
雨部八劃
『玉篇』古文字。『說文』雲覆日也。从雲今聲。註詳阜部八畫。
『集韻』書作𩃬。或作𩃛𩂇。『廣韻』書作
康煕字典・侌
人部六劃
『玉篇』古文字。註詳阜部八畫。
解字(白川)
侌は陰の古文で、(雲氣)を(蓋栓)で蓋する意、氣を閉ぢ込める意。
解字(藤堂)
侌は、(雲)と(含; 閉ぢ籠もる)の會意、今は亦た音符。濕氣が籠もつて鬱陶しいこと。
解字(漢字多功能字庫)
古くは陰につくる。段注陰字條に註して山北為陰、故陰字從𨸏。自漢以後通用此為霒字。といふ。

陰に同じ。

補遺

説文解字
の重文
康煕字典
二部二劃
『唐韻』『集韻』王分切『韻會』『正韻』于分切、𠀤音雲。『說文』山川氣也。象回轉形。後人加雨作、而以云爲云曰之云。『正字通』與音別義同。凡經史、曰通作云。
運也。『管子・戒篇』天不動、四時云下、而萬物化。《註》云、運動貌。
狎昵往復也。『詩・小雅』昏姻孔云。『朱傳』云、旋也。『左傳・襄二十九年』晉不鄰矣、其誰云之。《註》云、猶旋。旋歸之也。
語助。『詩・小雅』伊誰云憎。『史記・封禪書』秦文公獲若石云于𨻰倉北坂。
陸佃曰、云者、有應之言也。『左傳・襄二十六年』子朱曰、朱也當御。三云、叔向不應。
云云、衆語也。『前漢・汲黯傳』上曰、吾欲云云。《註》猶言如此如此也。
云云、山名。『前漢・郊祀志』封大山禪云云。《註》云云、太山下小山。
云爲。『易・繫辭』變化云爲。
姓。漢云敞。
同。『莊子・在宥篇』萬物云云。《註》盛貌。老子作芸芸。
紛云、興作貌。『呂覽・圜道篇』雲氣西行云云然。『前漢・司馬相如傳』威武紛云。俗作紜。
『韻補』叶于先切、言也。『韓愈・剝啄行』我謝再拜、汝無復云。往追不及、來可待焉。
ウン
いふ。ここに。
解字(白川)
雲の象。の初文。卜文は、龍が雲中に頭を隱し、卷いた尾が下に現れる形。
と聲が通じて「いふ」。曰、、遹などと聲が通じて「ここに」。と聲近く終助詞に用ゐる。
解字(藤堂)
息や空氣が曲折して立ち上がるさまの象。もと、口中に息がとぐろを卷いて口ごもること。の原字。
解字(落合)
直線が天空を表し、曲線が雲の卷いてゐるさまを表す。の初文。
解字(漢字多功能字庫)
𠄞(上)に從ひ、「旬(螾)」聲。本義は雲。後に借用して言語の「云」となし、雨を加へて字をつくり本義を保存した。一説に、甲骨文は上に從ひ、天上あるいは上空を表し、「旬(螾)」聲、後に𠄞字の下の劃と旬の上の劃を一緒にしたといふ。また一説に、云字の下部は雲氣の下に垂れるさまで、後に甲骨文の旬と云が同じ形で容易に混ざつてしまふので、旬に横劃を加へ、云に𠄞を加へて區別するやうになつた。
甲骨文では本義に用ゐる。また甲骨文に「各云」の語が見られる。一説に各は格、來臨するの意といふ。また一説に分散した雲を指すと言ふ。また一説に各種の色の雲といふ。
甲骨文ではまた雲神に用ゐ、云の前に常に數詞を冠する。例へば《合集》13401に尞于三云。と、《合集》40866に尞豕四云。とある。『周禮・春官宗伯』に以五雲之物辨吉凶、水旱降、豐荒之祲象。とあり、五色の雲を指し、三云、四云などは、みな雲の色の數を指すともいふ。引用した甲骨文は、雲神に對し燎祭を行ふことを指す。
金文では語氣の助詞に用ゐ、義は無い。
人名用漢字