説文解字私註 𧮫部

𧮫部

𧮫

説文解字
口上阿也。从口、上象其理。凡𧮫之屬皆从𧮫。
𠶸 𧮫或如此。
𧮫或从豦肉。
康煕字典
谷部(零劃)
『唐韻』其虐切『集韻』極虐切、𠀤音噱。『說文』口上阿也。又『廣韻』笑貌、或作𠶸臄。經史通作。○按篆文𧮫字、上二八皆合、與山谷字分開者不同。『說文』从口、上象其理、宜歸口部。字彙溷入谷部。非。
キャク

口の上のくぼみ、所謂人中を指す。また、笑ふさま。谷は別字。

説文解字
舌皃。从𧮫省。象形。
𠀬 古文㐁。讀若三年導服之導。一曰竹上皮。讀若沾。一曰讀若誓。弼字从此。
康煕字典
一部五劃
《古文》𠀬
『集韻』他點切、音忝。以舌鉤取也。『說文』舌貌。从谷省、象形。『精薀』㐁以舌在口外、露舌耑舐物。人有持短長術、以言鉤人者、孟子斥爲穿窬。
『玉篇』『唐韻』『集韻』𠀤他念切、添去聲。義同。〇按㐁字、今通作
𠀬 一部七劃
『集韻』㐁、古作𠀬。『說文』讀若三年導服之導。一曰竹上皮、讀若沾。一曰讀若誓、弻字从此。『正字通』按說文音讀舛誤、訓辭支離、當別詳定。
テン
なめる。むしろ。
解字(白川)
敷物の簟席の形を象る。簟の初文。『廣雅・釋器』に(前略)、㐁、(中略)、廗也とするのが良い。説文解字に一に曰く、竹上の皮なりとあり、それを編んだものが㐁。宿(㝛)の字形のうちに㐁が含まれてをり、宿るときの臥席に用ゐた。
解字(漢字多功能字庫)
弼字條に、㐁の甲骨文は簟の象形初文で、竹の席の形を象る、とする。
宿字條に、宿の甲骨文は簟の初文と卩あるいは人に從ふとする。簟の初文の部分は㝛の㐁の部分に當たる。
補註: 上にいふ㐁の甲骨文を、落合は席に當てる。この甲骨文は𠩛の厂を除いた形、或は𥔆の旁の形。𠩛も𥔆も席の古文とされる。

按ずるに、懸け離れた二訓を持つのは、元々舌の形に從ふ字と、簟の形に從ふ字の二つがあり、兩字の形が似てゐるなどして混同されたからか?