MIDI
語解
《略語》 Musical Instrument Digital Interface
電子樂器間のデータの遣り取りの爲の規格。演奏状況をケーブルで相手に送ることを想定してゐた筈。
前項の規格に基づく演奏データの記憶形式の規格。現在はこちらの方が一般的。
雜説
元々は電子樂器間のデータのやりとり用の規格。演奏の状況をケーブルで相手に送る、といふものである。鍵盤を押すなりすれば「押した」と發信し、離せば「離した」と發信する、と心得られたい。
こんな調子であるから音色なんてのは元々考慮の外であつた。用途として必要なかつた、とも言へよう。しかし色々に使われるようになつたので音色のデータもつけられる樣になつて來てゐる。現状では再現性が決して高いとは言へないようであるが。
あと、PC 用のファイルにするためには發信タイミングを付加する必要もある。現状ではその辺のデータもひつくくつて標準 MIDI ファイル形式 (SMF) と呼ばれるものにするのが妥當なところであると思はれる。
以下は以前 T2 氏に書いていただいた解説文。此方の方が詳しいので、始めから出せばいいのかも知れないが、流石に全部他人樣の文章といふのも面白くないので。
もともと電子楽器が登場した1950〜60年代の段階では各楽器会社の音楽情報規格が独立していてその間で楽器データや音楽データを受け渡しすることは不可能だったので、1970年代後半から1980年代にかけて各音楽機器製作会社は電子楽器のデータの統一規格を作ろうとしたのである。それが通称 MIDI(Musical Instrument Digital Interface) と言われるもので、これにより楽器データシーケンサー (音楽データに対応して自動演奏する機械) 用の音楽データが受け渡しできるようになったのである。
ま、とは言っても初期の MIDI は全くお馬鹿ちゃんで完全に情報を伝達することなど不可能だった。ここで一つ注意しておくべきなのは上にあげられているような楽器データの伝達というのはどういうものかと言うことである。これは例えばシンセサイザーのシーケンサーにおいてピアノの音で入力したデータを他のシーケンサーに伝達する際に、他のシーケンサーなり、音源モジュール (ま、簡単にいえば、音色を一杯持っている機械、ちなみに音色は「ねいろ」、ではなく「おんしょく」、とこの際は呼ぶ) の中で、一番、元のピアノの音に類似したピアノの音を選んで再生することである。ここでやっかいなのは、同様の音色が存在しないときは、それでも一番カテゴリー的に類似した音を探してくるので一応再生はされるものの、非常に元来の意図とは離れた音となることである。また、この情報伝達の際には MIDI 信号の受信側と送信側のチャンネルがあっていないとうまく受信されないが、この説明はやっかいなので省略する。ただ、これが MIDI の取り扱いの際に一番やっかいなことなのだが。
さて、ここからが余りよく知られていないことなのでキチンと押さえておくと、MIDI と一言で言っても規格的には数種類存在する。基本的に MIDI と呼ばれているものは SMF (Standard MIDI File) であり、これが最も一般的な形で通用するものである。これは先ほどにも説明したとおり、異なったシーケンサーや MIDI アプリケーション間でもソングデータのやりとりができるように Opcordsystem 社の Dave Oppenheim 氏が構想したもので、format0, format1, format2に分けられる。format0 はトラック数が1の最も初期形式のもので、その中に1〜16チャンネルの MIDI データが混在する方式で、一般のシンセサイザーやシーケンサーはこの方式をとっている。format1 はトラック数が無制限でそれぞれのトラックに複数のチャンネルの MIDI データが混在する書式で高価な MIDI アプリケーションが取り扱う方式である。format2 は format1 が format0 の垂直方向の拡張であることに加えさらに水平方向への拡張をしたものです。ただ現在の所 format2 を採用している楽器は殆どない。さて、YAMAHA には他にも XG などの規格が存在するが、これは YAMAHA の MIDI 規格の一種で(この表現には語弊があるが)音色配列「GMシステムレベル1」をより拡張し、複雑な表現と、データの継承性を実現した音源フォーマットのことである。あと YAMAHA には ESEQ という規格があるが、これはピアノプレーヤ用のデータ規格なので特殊なものである。